早春の3月上旬から咲き始めるおかめ桜(オカメザクラ)。
一般的な桜であるソメイヨシノよりも1ヵ月ぐらい早く咲きますので、おすすめの桜です。
おかめ桜を鉢植えで育てています。コンパクトな株で、小さな鉢植えを目指していますので、剪定をする必要があります。
剪定した枝を挿し穂に使い、おかめ桜の挿し木にチャレンジします。
おかめ桜の発根率は、どのくらいか?不明ですので、挿し木が簡単にできるか?確認します。
おかめ桜の鉢植え
苗木を植え付け・植え替えをする様子を詳しく記事に書きました。
おかめ桜の樹高は、70センチぐらい。
先端の枝が長く伸びますので、剪定する必要があります。
長く伸びた枝や不要な枝を剪定しましたので、おかめ桜の鉢植えは、スッキリしました。
剪定した枝を捨てることは、もったいないですので、挿し穂にして、挿し木にチャレンジします。
おかめ桜の挿し木の時期
おかめ桜の挿し木に適した時期は6~7月です。
前年に伸びた枝を使う挿し木は、「古枝挿し」と呼ばれます。暖かくなり始めた3月から4月にすることから「春挿し」と呼ぶこともあります。
新しく芽吹いて伸びた枝を使う挿し木は、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種によって成功率が異なります。
挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂の発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。
おかめ桜を花後に剪定した今シーズンに伸びた枝を使いますので、「緑枝挿し」の挿し木です。
剪定した枝の水揚げ
おかめ桜を剪定した枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、30分から2時間ぐらいが基本です。
水揚げをする時間は、一晩などといろいろな情報がありますが、2時間ぐらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。葉と枝が水に漬かるように、水揚げは大きな容器が適しています。
おかめ桜の挿し穂を作る
おかめ桜の鉢植えを剪定した枝。たくさんありますので、剪定した枝を使って、挿し穂を作ります。
挿し穂の作り方
挿し穂の下の方は、土に挿しますので、葉を取り除きます。
手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、葉の付け根をハサミで切るとよいです。
先端の葉を2~4枚ぐらい残します。
挿し穂は、残した葉をハサミを使って半分に切ります。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。
一番上の挿し穂は、前年の枝ですので、「古枝挿し」になります。
真ん中は、根元だけが前年の枝です。
下の挿し穂が、今シーズンに伸びた枝ですので、「緑枝挿し」になります。
挿し穂の切り口
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の切り口にするとよいです。
すべての挿し穂を水切りで、切り口を作りました。
刃物を使う作業ですので、ケガに注意します。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は水揚げで水に濡れていますので、粉末の発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
発根促進剤ルートンの挿し穂の準備ができました。
挿し穂は、9本あります。今シーズンに伸びた枝である「緑枝挿し」が6本、前年に伸びた枝の「古枝挿し」が2本、根元だけが前年の枝が1本です。
すべての挿し穂が、発根することは難しいですが、半分以上の5本が発根して、挿し木が成功することを目標にします。
前年の枝は、芽吹く前の春に挿し木をするとよいです。
おかめ桜の挿し床の準備
挿し木で、用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。
おかめ桜の挿し床は、プラスチック製の鉢を使います。
挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。
鉢底石を薄く敷きます。
暑い夏は、水切れしないように、腰水で管理しますので、鉢底石を厚く敷くと用土が水に漬かりません。
おかめ桜の挿し木の用土は、赤玉土の極小粒を使います。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
長い挿し穂は、斜めに並べるとよいです。
斜めに挿すと、しっかり固定されて、風が吹いても動きませんので、おすすめです。
9本、すべての挿し穂を並べました。
並べた挿し穂の上から、用土である赤玉土の極小粒を入れます。
おかめ桜の挿し木が完成しました。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて、1本ずつ挿すことは大変です。
挿し穂が長いと、深い穴を作る必要がありますので、挿すより用土を入れるほうが簡単になります。
挿し穂の数が多いときも、並べて用土を入れるほうが簡単になります。
おかめ桜の挿し木の管理
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。たっぷり水を与えます。
用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
おかめ桜の挿し木は、毎日、水遣りをして、用土が湿った状態を維持します。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理するとよいです。
霧吹きで葉に水を与える葉水は、根がなくなり水の吸収が少なくなっていますので、葉が萎れることを防ぐ効果が高いです。
おかめ桜の挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
おかめ桜の挿し木のポイント
- 30分から2時間ぐらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土の極小粒
- 乾かないように腰水で管理
おかめ桜の挿し木のポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
おかめ桜の挿し木の今後
今後のおかめ桜の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
5月23日に、おかめ桜の挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。6月上旬に梅雨入りして、梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
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