ペーパーカスケードの育て方:春に小さな美しい白い花を楽しみ、夏越しにチャレンジ


 
ペーパーカスケード
ペーパーカスケードは、キク科ローダンセ属の多年草です。高温多湿の弱く、日本の気候では夏越しが難しいですので、一年草扱いになります

原産地はオーストラリアで、学名はRhodanthe anthemoides cv. Paper Cascadeです。

ペーパーカスケードが咲く時期は春の3月~4月、直径2センチぐらいの花びらが白色で中心部分が黄色の小さなが咲きます。

つぼみは、赤みを帯びて可愛らしいですが、赤色の部分はガク(萼)になりますので、が咲くと見ることができません。

暖かなり、春が近づくとホームセンターや園芸店で、つぼみのある苗が販売されています。

自宅の近くの園芸店で、ペーパーカスケードの苗が安く販売されていましたので育てます。

春に美しいを楽しみ、暑い九州地方の福岡県で、夏越しにチャレンジします。



ペーパーカスケードの苗

ペーパーカスケードの苗
ペーパーカスケードの苗のラベルは、とてもシンプルです。の写真がないことが残念。できれば、ラベルの写真で、の色や形を確認して購入しましょう。

ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。

植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。


ラベルの裏
ラベルの裏に簡単な説明があります。

ペーパーカスケード
キク科 ローダンテ属

用途…庭植え、鉢植え、プランター
開花時期…3~5月
草丈…10~20cm(這性)

管理のポイント
日当りと排水の良い所を好みます。有機質の多い土に植えます。
植え付け時に緩効性肥料を施し、液体肥料を月に1回位施します。
過湿を嫌いますので、水やりは土の表面が乾いたら与えます。
定植(植替え)する時は土をくずさないように注意。

※這性(はいせい)は、茎が立ち上がらず、地面をはうように横に茎を伸ばして広がる性質。







草丈
ペーパーカスケードの苗の草丈は10センチぐらい。つぼみがたくさんあります。

ペーパーカスケード草丈は、10~20センチですので、成長すると2倍くらいまで大きくなります。


ビニールポット
直径10.5センチ、3.5号のビニールポットに植えられています。


苗 花 葉
苗を選ぶときは、の状態を大切にします

枯れたり、黄色の変色したりしたが少なく、元気なであることを確認しましょう。

が気になりますが、咲いたより、つぼみがたくさんある苗が、開花からを長期間、楽しめますので、おすすめです。

春の苗は、ビニールハウスなどでが咲くように促成栽培されていることが多いです。

購入後に、屋外で管理すると弱ることがありますので、注意が必要です。



ペーパーカスケードの小さな鉢植え

小さな鉢植え
ペーパーカスケードは、草丈が20センチぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます

小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。

日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。

寄せ植えやプランターで育てることが多いですが、夏越しにチャレンジしますので、管理がしやすいように、単独で育てます。


雰囲気
苗をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け植え替えしたときの雰囲気が確認できます。

過湿の弱い性質がありますので、が密集して少し心配です。


スリット鉢
ペーパーカスケード小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。

スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。

スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。

MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます

根詰りすることがなく、ペーパーカスケードを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。


スリット
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。

スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。

ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。


八角形
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。

スリットにより、が光を浴びて伸びなくなることで、底でを巻くサークリング現象を防ぎます


ウォータースペース
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。

段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。


3.5号
準備したスリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります


鉢の高さ
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。

植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ペーパーカスケード小さな鉢植えで育てることができます。

日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ペーパーカスケード最適な環境で育てることができます


鉢カバー
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。

100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。



ペーパーカスケードの用土

ペーパーカスケード 用土
ペーパーカスケードは、水はけがよく、肥沃な用土を好みます

ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。

用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土7:3の割合で混ぜた用土が適しています。

高温多湿に弱いペーパーカスケード夏越しにチャレンジしますので、過湿にならないように用土の配合を変えます。

赤玉土の小粒、鹿沼土の小粒、軽石1:1:1の同量で配合して、過湿にならない用土で育てます。


均一
赤玉土鹿沼土軽石が均一になるように混ぜます。


鉢底石
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。

ペーパーカスケードは、過湿に弱いですので、鉢底石を敷くことをおすすめします。


土入れ
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。

園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。


3分目
鉢の高さの底から3分目まで用土を入れて、ペーパーカスケードの鉢の準備ができました。

ペーパーカスケードは、植え付け植え替えのときに、緩効性肥料を用土に混ぜて、元肥を施しますが、が傷む原因になることがありますので、肥料を与えないで育てます

が黄色に変色したり、元気がなくなったりすれば、薄めの液体肥料を与えます。

植え付け植え替えは、最初に鉢の準備をします

土の中にあるは乾燥しやすいですので、短時間で植え付け植え替えをする必要があります。



ペーパーカスケードの植え付け・植え替え

植え付け 植え替え
ペーパーカスケードの苗を、鉢に植え付け植え替えをします。

必要な道具は、ハサミピンセット竹串です。

鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。

鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け植え替え用に購入するとよいです。

ペーパーカスケード植え付け植え替えに適した時期は、春の3~4月と秋の9月~10月になります



ビニールポットから取り出す

底 確認
最初に、底を確認します

がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。

がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。


横向き
ペーパーカスケードの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。


底の角
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。

手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。


取り出す
ペーパーカスケードの苗をビニールポットから取り出すことができました。



ペーパーカスケードの根鉢

ペーパーカスケード 根鉢
ペーパーカスケードの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。

根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、と土が固まって見えている状態のことです。


サークリング現象
根鉢の状態は普通です。白いは新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいポットですので、土のない外側に、がたくさんあります。

まだ寒い2月と冬ですので、新しい白いは、ほとんどありません。

ペーパーカスケード根鉢の底を観察すると、鉢の底でが巻くサークリング現象が起きています

ペーパーカスケードは、寒冷地などで涼しければ、夏越しできます。株が大きく成長しますので、2年に1回、植え替えをします

根鉢を崩さないで、鉢に植え付け植え替えすることが基本です。


枯れた葉
黄色に変色したり、枯れたりしたは、ピンセットで取り除きます。

植え付け植え替えをするときは、根元がよく見え、作業がしやすいです。


キレイな状態
キレイな状態になりました。



根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備

表面の土
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れて固まると、水通りと通気性が悪くなります

植え付け植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。

育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。


竹串 崩す
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。

根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。

も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。

鉢に植え付け植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう


根鉢の底
根鉢の底は、サークリング現象でが巻き、土が固まっています。このままの状態で、植え付け・植え替えをすると、の成長がよくありませんので、軽く崩します。

根鉢の底を竹串を使って崩します。底の土を崩して、をほぐします。


伸びた根
巻いたをほぐして、長く伸びたを切りました。


根鉢 準備
根鉢を軽く崩して、鉢に植え付け植え替えをする準備ができました。

一般的には、ペーパーカスケード根鉢を崩さないで、植え付け植え替えをするようになっています。

夏越しにチャレンジしますので、少しでも状態をよくするために根鉢を軽く崩しました。



鉢に植え付け・植え替えをする

鉢 入れる
根鉢を崩したペーパーカスケード用土を入れて準備した鉢に入れます。


根元の位置
根元の位置を確認します。

スリット鉢段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します

高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。

スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。

少し離れて見て、バランスがよくなっているか?確認しましょう。


隙間 用土
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。


保水性
ペーパーカスケード根鉢の土は、保水性が高いですので、追加する用土鹿沼土の小粒と軽石1:1で混ぜた用土を使います。

種から育て、春にを楽しむには、普通の培養土を使い、保水性が高い性質で問題ありませんが、夏越しにチャレンジしますので、通気性がよい用土が適しています


用土 入れます
鹿沼土の小粒と軽石で作った用土を、根鉢と鉢の隙間に入れます。


隙間 竹串
の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。


段差
用土スリット鉢段差の少し下まで入れました。


軽石
仕上げに軽石を敷きます。

軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます

水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。

水遣りで土が跳ね返り、の裏に付着することも防ぎます。に土が付着すると、病害虫の原因になります。


小さな鉢植え 完成
ペーパーカスケード小さな鉢植えが完成しました。

小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。


鉢カバー 鉢植え
鉢カバーに入れると、立派な鉢植えになります。



ペーパーカスケードの管理

水遣り
ペーパーカスケードの苗を鉢に植え付け植え替えした後は、すぐに水遣りをします。

鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます

に水がかからないように、水差しを使って、土に直接、水を与えます

ペーパーカスケード水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。

春と秋は1日1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は3~4日に1回ぐらいが目安になります。

乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。

過湿に弱いですので、水のやりすぎに注意が必要です。

寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。

が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れするとが傷みます

寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。


明るい日陰
植え付け植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します

が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。

ペーパーカスケードは、日当たり・風通しの良い場所で管理します

耐暑性が弱いですので、夏越しに注意が必要です。強い日差しに当てないように、半日陰で風通しの良い場所で管理しましょう。

耐寒性は強いですので、保護の必要はありません。



ペーパーカスケードの育て方のポイント

  • 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
  • 水はけのよい、肥沃な用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
  • 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
  • 肥料は少量の緩効性肥料を元肥。液体肥料で追肥。
  • 植え付け植え替えは、3~4月、または9~10月。

ペーパーカスケードは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。一年草扱いで、春から初夏まで楽しむことができます。

北海道や東北地方の寒冷地では、夏越しできますので、鉢植え根詰りしないように、2年に1回、植え替えをします。

雨に当たらないように管理すれば、状態がよく、花を長く楽しめます。

が萎れたら、花柄摘みをします。枯れたがあれば、取り除きましょう。



ペーパーカスケードの今後

2月14日に、ペーパーカスケードの苗を鉢に植え付け植え替えしました。

まだ寒い時期ですが、九州地方の福岡県では、ホームセンターや園芸店で苗が販売されています。根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫です。

ペーパーカスケード今後の様子はこの記事を更新します

最初の目標は、美しい小さな白いを楽しむことです。1年間の育てる様子を記録します。



ペーパーカスケードの開花


3月8日
3月8日、撮影。

ペーパーカスケードの苗を鉢に植え付け植え替えをしてから、3週間が経過しました

つぼみが大きく膨らみました。の状態はよいです。雨に当たらないように管理しています。


ペーパーカスケードの花
1輪だけですが、ペーパーカスケードが咲いています。

白色の花びらに中心部分は黄色です。つぼみのときに目立つ赤色の部分は、ガク(萼)ですので、見ることができません。

たくさんある花びらは、触ると乾燥してカサカサです。ドライフラワーのような感じで、「カサカサ」と音がします。


花 半分
3月16日、撮影。

つぼみの半分ぐらいが開花して、5分咲きになりました。




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