ホシギキョウ(星桔梗)は、キキョウ科カンパニュラ(ホタルブクロ)属の耐寒性多年草です。バルカン諸国やセルビアが原産地になります。
学名は、Campanula poscharskyanaで、カンパニュラ・ポシャルスキアナやセルビアン・ベルフラワー、トレーリング・ベルフラワーと呼ばれることがあります。
大きな特徴は、5月~7月頃まで、長期間、小さな星型の花が咲くことです。花の色は、青紫色や淡青紫色、白色やピンク色があります。
ホームセンターや園芸店では、和名のホシギキョウでなく、カンパニュラ・ポシャルスキアナの名前で販売されていることが多いです。
カンパニュラ・ポシャルスキアナは、花の色によって多くの園芸品種があり、名前が多いですので、分かりにくいです。
- 「アルペンブルー」:青紫色の花
- 「アルペンホワイト」:白色の花
- 「アルペンピンク」:青みのあるピンク色の花
- 「ステラ」:淡青紫色の花
- 「リスダガンバラエティ」:淡桃色の花
- 「ブルーウォーターフォール」:青色の花
- 「ナナアルバ(アルバ)」:白色の花
ホシギキョウの花は鐘形で、花びらが5つに裂けて、先端が尖っていますので、名前の通り星のような形になります。
12月中旬に、園芸店で、ホシギキョウの小さな苗が、安く販売されていましたので、購入して育てます。
ホシギキョウの苗
カンパニュラ・ポシャルスキアナと記載されています。品種名はありませんが、写真の花の色が、淡青紫色ですので、「ステラ」の可能性が高いです。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
カンパニュラ
ポシャルスキアナ
キキョウ科 耐寒性多年草
開花期
5月~7月
用 途
庭植え・鉢植え・コンテナ・プランター
草 丈
10~20cm(広がります)
育て方のポイント
春になると横に広がりブルーの星形の花がいっぱい咲きます。とても丈夫なガーデンプランツです。
購入したホシギキョウの苗の草丈は8センチぐらいです。
ホシギキョウの草丈は、10~20センチぐらいまでと、小さいですので、管理しやすくなります。
ホシギキョウは、グランドカバーやハンギング、ロックガーデンにも利用できます。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
ホシギキョウの葉は緑色で、長い葉柄があり、丸い心形。フチにギザギザがある鋸歯縁で、茎に互生します。
購入したホシギキョウの葉の長さは、4センチぐらいです。
ホシギキョウの苗の選び方は、葉の色がよく、茎が間延びしていないものがよいです。
ホシギキョウの小さな鉢植え
ホシギキョウは、草丈が10センチ~20センチまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、管理が簡単にできます。
ホシギキョウを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ホシギキョウを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ホシギキョウを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
購入したホシギキョウの苗は、草丈が8センチと小さく、ビニールポットが3号ですので、一回り大きい3.5号(直径10.5センチ)が適したサイズになります。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
ホシギキョウの用土
ホシギキョウは、水はけ(排水性)がよく、中性から弱アルカリ性の用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に石灰を混ぜるとよいです。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土を使います。
赤玉土と腐葉土が、均一になるように混ぜます。
鉢に用土を入れる
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
ホシギキョウは、高温多湿に弱い性質ですので、鉢底石を敷き、水はけのよい環境を作ります。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
用土を石灰で中和する
ホシギキョウは、中性から弱アルカリ性の用土を好みますので、石灰を使って中和します。
日本の土壌は弱酸性ですので、中和したほうがよいです。
石灰は、100均でも販売されていますので、使う量が少ないときは便利です。
園芸に使う石灰は、苦土石灰と有機石灰があります。
苦土石灰は、植え付け・植え替えをする10日前ぐらいに、用土と混ぜてから使用します。
用土の説明で、「種や苗を植え付ける前に、あらかじめ用土によく混ぜ込んでおきます。」と記載されています。
有機石灰は、効果が強くないですので、植え付け・植え替えをするときに、混ぜることができます。
「すぐに植え付けできます」と記載されていますので、安心して使えます。
100均のマドラースプーンに1杯ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、3グラムぐらいになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
鉢は3号で、直径9センチになりますので、面積は0.045×0.045×3.14=0.0063585となり、およそ0.007㎡。
1グラムぐらいが適量になります。量が多いですが、有機石灰ですので、強いアルカリ性になることはありません。
ホシギキョウの鉢の準備ができました。
植え付け・植え替えは、最初に鉢の準備をします。
根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ホシギキョウの植え付け・植え替え
ホシギキョウの苗を鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ホシギキョウの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~4月と秋の9月~10月になります。
12月中旬と、朝晩は冷え込むようになりましたが、温暖な気候である九州地方の福岡県で育てていますので、根鉢を軽く崩して、鉢に植え付け・植え替えをします。
苗を掃除してキレイにする
購入したホシギキョウの苗のビニールポットの中に、肥料や枯れ葉がありますので、ピンセットで取り除いて掃除をします。
苗は植え付け・植え替えをする前に、キレイな状態にするとよいです。
ビニールポットから取り出す
ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
ホシギキョウの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ホシギキョウの根鉢
ホシギキョウの苗をポットから取り出すことができ、根鉢になりました。
根鉢は、苗を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態を確認すると、根の量はとても多く、鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
12月中旬と、寒くなり始めていますので、根鉢をあまり崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
長く伸びた根をハサミで切ります。根を切るハサミは、土も一緒に切ることがありますので、刃が傷みます。
葉や茎を切るハサミとは別にするために、100均で安いハサミを購入するとよいです。
崩すことで、植え付け・植え替えした後に、根が成長しやすくなります。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
ホシギキョウの根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れずに、赤玉土だけの用土にしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差より少し下まで用土を入れます。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ホシギキョウの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ホシギキョウの管理
ホシギキョウの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
葉に水がかからないように、水差しを使って、土の表面に水を与えます。
ホシギキョウの水遣りは、多湿に弱いですので、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。水の与えすぎに注意します。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、乾かし気味に、完全に乾かないように4~5日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
土が凍結すると、枯れることがありますので、寒さが厳しい地域は、保護すると安心です。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が早く傷みます。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ホシギキョウは、高温多湿に弱いですので、直射日光が当たらない風通しのよい場所で管理します。
耐暑性は少し弱く、暑い夏の乾燥や高温多湿は苦手です。半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は強いですが、霜にあたると葉が傷みますので、寒い冬は軒下などで管理してください。
ホシギキョウの小さな鉢植えは、草丈が8センチぐらい。コンパクトな株で、可愛らしい雰囲気が楽しめます。
ホシギキョウの肥料
ホシギキョウの肥料は、春から秋に緩効性化成肥料を1ヵ月に1回ぐらい与えます。つぼみができ始めてから花が咲く秋には、リン酸を多く含む液体肥料を併用するとよいです。
ホシギキョウは、花がたくさん咲きますので、肥料が切れないように、注意が必要です
植え付け・植え替えした直後に肥料を与えることを避けますが、苗にあった肥料ですので、影響が小さいです。
購入した苗には、土の上に肥料がありました。生産者の方が使用している肥料です。
鉢カバーに入れると、立派なホシギキョウの小さな鉢植えになります。
ホシギキョウの育て方のポイント
- 直射日光が当たらない明るい日陰で、風通しがよい場所で育てる。
- 用土は普通の市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を7:3で配合。石灰で中和する。
- 水遣りは、鉢の土が乾いてから、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春から秋に、緩効性化成肥料を置き肥。
- 夏は高温多湿に注意、半日陰で管理します。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
ホシギキョウは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
高温多湿に弱いですので、暑い夏は半日陰で管理します。
枯れた葉や萎れた花をコマメに取り除くことで、病害虫の発生を防ぎ、元気な株になります。
ホシギキョウの今後
12月13日に、ホシギキョウの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは、簡単な保護で大丈夫です。
福岡県の12月の平均気温は8.9度になります。最高気温が12.6度、最低気温は5.6度。
最初の目標は、美しい花を咲かせることです。
ホシギキョウの今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。
キキョウを育てていますので、参考にして下さい。
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