ツバキの小さな鉢植えで美しい花を楽しむために挿し木をします。ポイントをしっかり確認すれば、作業は簡単です。
花の少ない冬に美しい花を楽しむことができるツバキ。小さな鉢植えにすれば、いろいろな場所に飾ることができます。
ツバキ(椿)の挿し木のポイント
- ツバキの挿し木に適した時期は6月~7月。
- 挿し木の用土は赤玉土の小粒、または挿し木専用の用土。
- 春から伸びた健康で元気のよい枝を挿し穂に使う。
- 挿し穂を2~3時間、水につけて水揚げをする。
- 清潔でよく切れる刃物で挿し穂の下を斜めに切り、切り口を作る。
- 挿し穂の切り口に発根促進剤を付着させる。
- 湿度を高く保つためにビニール袋で「密閉挿し」。
- 直射日光が当たらない明るい日陰で管理。
ツバキの挿し木の時期
ツバキの挿し木に必要な道具
- 赤玉土の小粒や挿し木専用の用土
- 3~4号(直径9~12センチ)の鉢
- 剪定するためのハサミ
- 挿し穂を水揚げするための容器
- カッターやカミソリなどの刃物
- 発根促進剤「ルートン」
- 竹串や割りばしなどの棒
- 密閉するためのビニール袋
ツバキの挿し木の用土
ツバキの挿し木に適した用土は、赤玉土の小粒やホームセンターや園芸店で販売されている挿し木専用の用土です。保水力が高く、雑菌がないことが大切です。赤玉土の小粒
赤玉土は通気性や排水性、保水性がよい特徴があります。関東ローム層にある赤土を「玉」の名前の通り粒状に加工した用土です。弱酸性ですので、多くの植物の栽培に適しています。ツバキの挿し木に赤玉土の小粒を使いました。小さな鉢(4号まで)では小粒が適しています。挿し木では粒が小さいほうが挿し穂に接する面積が増え、発根する可能性が高いです。
たっぷり水を与えて、全体が十分に湿るようにします。赤玉土の小粒のツバキの挿し木の挿し床ができました。
挿し木専用の用土
挿し木専用の用土は、100均で販売されている「さし芽・種まきの土」を使いました。パッケージに記載されているように安心安全の日本製。 挿し木専用の用土ですので、挿し木の成功率が高くなることが期待できます。以前、購入したことを思い出し、赤玉土と比べて挿し木の成功率に違いがあるか?調べるために使います。
鉢に入れて水を与えます。
よく混ぜて全体が均等に湿るようにします。
ツバキの挿し穂の準備
梅雨時期ぐらいになると新芽が膨らんでいます。新芽が大きな枝は成長がよいので挿し木の成功率が高くなります。
花芽があれば、挿し木が成功して冬に花が咲く可能性があります。7月に挿し木をして、3ヵ月後の10月に鉢に鉢上げをして、その後に肥料を適切に与えれば、開花できます。
挿し穂の水揚げ
挿し穂は2~3時間ぐらい水に浸けて水揚げをします。水の中に入れて十分に水分を蓄えさせます。発根するまでは水を吸収することが難しいので乾燥して枯れないようにします。挿し穂の切り口を作る
清潔でよく切れる刃物で挿し穂の下を斜めに切り、切り口を作ります。カッターの刃を新品に交換してキレイに洗ってライターの火で殺菌すると完璧です。切り口から雑菌が入ると枯れる原因になります。斜めに切ることで切り口の面積が広くなり、水を吸収しやすくなります。
発根促進剤を切り口に付着させる
発根促進剤の「ルートン」は発根を促進させる植物ホルモン剤です。発根作用が著しく促進されて、活着がよくなり、その後の生育が非常によくなります。値段が安く、内容量は20グラムと少ないですが、説明書には200~400本に使用できると書いてあります。ホームセンターや園芸店で販売されていますので、用意しましょう。
挿し穂の切り口に発根促進剤を薄く付着させます。挿し穂は水揚げをして濡れていますので、簡単に付着できます。
挿し穂を用土に挿す
作った穴に挿し穂を挿します。
挿し穂が動かないように少し斜めに挿すとよいです。
赤玉土の小粒を用土に使った鉢に3本の挿し穂を挿しました。
ツバキの挿し木の管理
葉からの蒸散を減らすために、葉を半分に切りました。葉が枯れないことが挿し木を成功させるポイントです。湿度の高い梅雨は、葉が枯れることがありません。梅雨時期でも晴れて暑い日があるので、ビニール袋を使った「密閉挿し」で湿度を高く保って葉が枯れることを防ぎます。
ビニール袋をかぶせるために針金を十字に鉢にセットしました。ビニールをかぶせることで風で挿し穂が動くことがないので、挿し木の成功率が上がります。
鉢にビニール袋をかぶせて、ビニタイで固定します。取り外しができるので様子を確認したり、水遣りをすることができます。
完全に密閉することが不安なので、ビニール袋の角をハサミで切って、少し通気できるようにしました。
葉が2枚の挿し穂は、葉を切らないで、そのままにしました。
ツバキの挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
梅雨の間は雨が降るので、用土が乾くことはないですが、梅雨が明けて暑い夏になると水遣りが必要になります。
環境によって用土の乾きが違うので、1週間に1回ぐらいはビニール袋を取り外して、用土の状態を確認しましょう。
ツバキの挿し木のまとめ
ツバキ(椿)の挿し木のポイント- ツバキの挿し木に適した時期は6月~7月。
- 挿し木の用土は赤玉土の小粒、または挿し木専用の用土。
- 春から伸びた健康で元気のよい枝を挿し穂に使う。
- 挿し穂を2~3時間、水につけて水揚げをする。
- 清潔でよく切れる刃物で挿し穂の下を斜めに切り、切り口を作る。
- 挿し穂の切り口に発根促進剤を付着させる。
- 湿度を高く保つためにビニール袋で「密閉挿し」。
- 直射日光が当たらない明るい日陰で管理。
ツバキの挿し木の作業はポイントをしっかり確認すれば、簡単にできます。
発根するまでの間、用土の乾きに注意して水遣りをしなければなりません。出張や旅行で長く留守にすると心配になります。
数日間、水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水にすると用土が乾く心配がなくなります。
ツバキの挿し木の今後
7月7日にツバキの挿し木をしました。今後の様子は、この記事を更新します。8月21日、更新
ツバキの挿し木は成功?
8月21日のツバキの挿し木の様子。赤玉土の小粒と挿し木専用の用土である100均の「さし芽・種まきの土」の2つの鉢に大きな違いがあります。挿し木専用の用土の挿し穂の葉が茶色になって枯れました。
はっきりと成果に違いがあります。 赤玉土の小粒の鉢の3本は、すべて無事で、挿し木専用の用土の鉢の4本はすべて枯れました。挿し木専用の用土は密閉挿しに適してない可能性があります。
赤玉土の小粒の鉢は、3本の挿し穂がすべて成功しています。成功率が100%です。とてもすばらしい結果です。
葉の状態がよく、先端のつぼみが大きくなっています。 挿し木して1年目から花が咲く可能性があります。
挿し木専用の用土の鉢は、4本の挿し穂がすべて枯れました。
挿し穂を抜いて観察すると、発根した痕跡がありません。
はっきりした原因は不明ですが、挿し木するために、挿し木専用の用土を用意する必要はなく、赤玉土の小粒でよいことがわかりました。
挿し木の用土は、書籍やインターネットで調べると、たくさんのいろいろな情報があり、どの用土が一番適しているか?悩みます。
今回のツバキの挿し木で赤玉土で高い成功率を残せたことが一番の収穫です。赤玉土はよく使う用土で、価格が安く、手に入りやすいです。
挿し木のために特別な用土を準備する必要がなくなり、鉢があれば、すぐに挿し木をすることができます。
挿し穂に白いカビのようなものがありました。ビニール袋をかぶせる密閉挿しを続けるとカビが増えます。
もうすぐ夏が終わり、涼しくなるので、ビニール袋を取り外して管理します。葉と新芽の状態から発根していることは確実です。
7月7日、撮影。(ツバキの挿し木をした日)
ツバキを小さな鉢植えで美しい花を楽しむことが目標です。
新芽があるツバキの挿し穂を使って、梅雨時期に挿し木をして冬に花を咲かせるチャレンジは失敗しました。
ツバキの挿し木は成功していますので、栽培を続けます。失敗の原因は根の量が少ない、肥料が不足しているなどが考えられます。
ツバキを鉢植えで育てています。育て方について詳しく書いた記事がりますので、参考にして下さい。
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