クチナシのミニ盆栽に実ができましたので、実から種を取り出して種まきにチャレンジします。多くの写真で詳しく説明していますので、参考にして下さい。
クチナシの種まきのポイント
- 種まきの時期は秋から冬に「採りまき」または春の「春まき」。
- 種を低温状態にして休眠打破させる。
- 種を水につけて水分をたっぷり含ませる。
- 種床はどのような容器でもよく、普通の鉢が簡単。
- 種まきの用土は赤玉土または種まき専用の用土。
- 発芽するまで明るい日陰で乾かないように水遣りをして管理。
クチナシのの種まきの時期
種まきの時期は秋から冬に種まきする「採りまき」と暖かくなった春に種まきする2つの時期があります。クチナシの種まきは種を採取して、すぐに種まきをすることにしました。
クチナシの種は一定期間の低温状態を必要とする「低温要求発芽種子」です。
屋外で冬の寒さに当てるか、冷蔵庫で低温状態にすることで発芽率がよくなります。休眠打破と呼ばれるものです。種は休眠状態ですので一度低温にすることで目覚めさせ、発芽できるようにします。
秋から冬の採りまき
涼しくなった秋から冬の「採りまき」は、種を保管する必要がなく、自然の環境に近いです。デメリットは暖かくなる春に発芽するまでの期間が長くなりますので、長期間、乾かないように水遣りをして管理する必要があります。
クチナシの実が熟して柔らかくなった頃に実を採取して種を取り出して種まきをします。
暖かくなった春にまく「春まき」
種を保管して発芽する気温になる春に種まきする方法は種が完全に乾燥しないように湿ったキッチンペーパーなどに包み、保管しなければなりません。
種は一度寒さに当たることで休眠打破して発芽しますので、冷蔵庫などで保管する必要があります。
冷蔵庫で乾燥させることなく保管することは難しく、デメリットになります。種まき後は2~3週間ぐらいで発芽しますので、管理が簡単なことがメリットです。
種まきの時期のまとめ
秋から冬の「採りまき」と暖かい春の「春まき」、それぞれにメリットとデメリットがあります。
私は冷蔵庫で保管することが難しいですので、クチナシの種まきは種を取り出して、すぐに種まきをする「採りまき」ですることにしました。
クチナシの種
クチナシの種まきをするためには種が必要です。種を手に入れる方法は3つあります。
- 実や種を購入する。
- 実がついた苗木を購入する。
- クチナシを育てる。
実や種を購入
クチナシの実は古くから食品の着色料や染料、漢方薬の原料として利用されていますので、販売されています。販売されているクチナシの実は乾燥されていることが多く、種まきに適していません。
いろいろ調べましたが、園芸店やネット販売などでクチナシの種が販売されていることはなく、フリマやヤフオクなどで個人の方から購入することになります。
実がついた苗木を購入
ホームセンターや園芸店で実がついたクチナシの苗木を購入する方法は簡単な方法です。
私はホームセンターの園芸コーナーで働いていますが、販売されているクチナシの苗木に実ができることは少ないです。理由は花が咲く前に店頭に並び、ほとんどが売れるからです。
売れ残りの苗木に花が咲き結実すれば実ができますが、苗木は季節商品ですので売れ残るほど多くを仕入れことはありません。
クチナシを育てる
クチナシを育て花が咲き実ができれば、簡単に種を手に入れることができます。八重咲きのクチナシは実ができませんので注意して下さい。
私はクチナシのミニ盆栽を育てています。花が咲き終わった後に花がら摘みをしないと実ができます。実が熟してきましたので、採取して種を取り出して種まきをします。
クチナシの実を採取
クチナシは6~7月に純白の香りが強い花を咲かせ、花が終わった後に結実すれば、実ができます。秋には実がオレンジ色になり熟しますので、実を採取して種を取り出します。
私のクチナシのミニ盆栽は毎年、香りがよい美しい花を咲かせ、楽しませてくれます。ミニ盆栽ですので結実して実ができると樹勢が弱りますので、花がら摘みをします。
今シーズンは花がら摘みをすることを忘れて、実ができましたので実を楽しむことにしました。
熟してオレンジ色になった実を楽しみ、実を取り除く時期になったときに実の中に種があることに気づき、クチナシの種はどのようなものなのか?種まきをすれば、発芽するのだろうか?疑問に思い、クチナシの種まきをすることにしました。
実を採取する時期
クチナシの実は寒くなり始めた11~12月にオレンジ色に色づきます。実が熟していますので実を採取する時期です。写真のクチナシの実は1月26日に撮影しました。福岡県で育てていますので、熟す時期が少し遅いです。一部がオレンジ色になっているのは日当たりの影響と考えられます。
実を採取する手順
クチナシの実を採取するために必要な道具はハサミです。採取した実を入れるために鉢受け皿を用意します。クチナシの実を4つから種を取り出しました。熟して柔らかくなっている実は種を取り出しやすいです。
手が汚れますのでビニール手袋などを準備するとよいです。クチナシの実は食品の着色料や染料になりますので、服などにつくと取り除くことが難しくなります。
クチナシの種から果実を取り除く
果実には発芽を抑制する成分がありますのでキレイに取り除きます。実の中で種が発芽すると枯れますので、果実にはアブシジン酸(ABA)などの植物ホルモンや油分、酸などの化学成分が含まれ、発芽を抑制しています。発芽率を向上させるために果実を取り除く必要があります。
種から果実を取り除く
クチナシの種の個数
たくさんあるクチナシの種を10個ずつにまとめました。中央にあまりの5個がありますので、145個のクチナシの種を準備できました。種まきは種を多く準備するほうがよいです。
クチナシの種の発芽率
インターネットで調べるとクチナシの発芽率は60%と記載されている情報がありました。販売されいる種のパッケージに記載されている発芽率は、種苗法に基づいた検査基準値ですので、実際の種まきでは参考程度の数値になります。
種が145個ありますので発芽率が10%でも14個は発芽します。ミニ盆栽の素材にしますので充分な数です。発芽すれば発芽率を調べることができます。
クチナシの種の大きさ
クチナシの種から形のよい膨らんだ種を1つ選んで種の大きさを測定しました。種の長さは2.5ミリぐらい、とても小さな種です。他の種も同じぐらいの長さでした。
クチナシの種の厚さは1ミリぐらいです。
種の厚さは種まきをするときに必要です。種まきの覆土(ふくど)の厚さは種の厚さの2~3倍ぐらいが適切になります。
覆土(ふくど)は種まきをした後に種の上にかぶせる用土のことです。厚すぎると通気性が悪く、多湿になり、種が腐ることがありますので、注意が必要です。
クチナシの種まきの覆土は2~3ミリぐらいが適切であることが分かります。
クチナシの種を水に浸ける
種まきする前にクチナシの種を1日ぐらい、常温の水に浸けます。種にたっぷり水分を含ませて、発芽しやすい状態にします。発芽率を向上させるために必要な作業です。水に沈む種が発芽しやすいので常温の水につけることにより種に水を含ませる種まきの準備と種の選別の2つの作業が同時にできます。
浮いている種があっても、しばらくすると種は水に沈むことがあります。種を採取してからの日数により、すぐに水に沈まないことがあります。
長期間、種を水に浸けると酸欠状態になり、種が死滅しますので注意して下さい。
植物の種類によって種の密度が異なりますので、水に沈む種が発芽して、水に浮く種は発芽しないとされる情報は間違いです。種に水分を含ませることが大切になります。
間違った情報であることは分かっていますが、種が水に沈むと嬉しくなります。
クチナシの種まきの種床
クチナシの種まきをするために、「種床」を準備します。
「種床」とは、「まき床」や「苗床」と呼ばれることがあり、種まきをして、発芽しやすい環境のことです。簡単に説明すると「用土を入れる容器」「種まきの用土」のことになります。
用土を入れることができれば、種床はどのような容器でも大丈夫です。発芽した後しばらく育てますのでプラスチック製の鉢を使います。
クチナシの種床の容器
クチナシの種まきの種床の容器はプラスチック製の鉢でアップルウェアーのプレステラ105型です。日本製で10ヶ組でホームセンターや園芸店で販売され、安くて使いやすい鉢です。プレステラの大きな特徴は側面から底にスリットが多く設置されていることです。スリットにより根の先端が光を浴びて伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
プレステラ105型の大きさは1辺が9センチの正方形です。円形の3号(直径9センチ)の鉢の1.2倍ぐらいの大きさになります。
正方形の鉢は、円形の鉢と比べて、隙間なく並べることができますので、スペースの有効利用に最適です。
プレステラ105型の高さは8センチぐらい。クチナシの種が発芽した後にしばらくの間は育てることができる大きさです。
プレステラは植物の成長に適した鉢になりますので、おすすめの鉢です。
プレステラは上部のフチに段差があります。段差まで用土を入れるとウォータースペースができます。ウォータースペースとは鉢植えで鉢の上部のフチから用土の表面までの空間のことです。
鉢の上部のフチから用土の表面を2~3センチぐらい下げることで、水遣りのときに水が鉢からあふれることを防ぎます。
ウォータースペースがあることで水が溜まり、鉢の用土に均一に水を行き渡らせることができます。
クチナシの種まきの用土
クチナシの種まきの用土は赤玉土の小粒と極小粒を使います。ホームセンターや園芸店で販売されている「種まき用の土」でも大丈夫です。
私はホームセンターの園芸コーナーで働いています。販売されている「種まきの用土」は野菜や草花に適した商品が多く、樹木の場合は赤玉土が安くて適しています。
赤玉土の小粒を購入して微塵を取り除き、フルイを使って小粒と極小粒に分別しています。用土は量が多い大きな袋のほうがお買い得です。
極小粒は直径2~3ミリぐらいになります。
クチナシの種床を準備
種床の底に粒が大きい赤玉土の小粒を入れます。
粒が大きいほうが水はけ(排水性)がよく、プレステラの特徴であるスリットから用土が流れ出る心配がありません。
鉢の高さの半分ぐらい、スリットが見えなくなるまで赤玉土の小粒を入れます。
次に赤玉土の小粒の上に極小粒を薄く入れます。
粒が小さい極小粒が種に触れるほうが保水性が高く、乾きにくくなります。小さな種が赤玉土の粒の隙間に入り、深いところに落ちることを防ぎます。
クチナシの種まきの種床は覆土(ふくど)をしますので、赤玉土の極小粒を段差より5ミリ下まで入れます。
種の厚さが1ミリでしたので、覆土の厚さは種の厚さの2~3倍が適切ですので、2~3ミリぐらい覆土をします。覆土が薄くなると乾きやすくなりますので5ミリにしました。
覆土(ふくど)は、種まきをした後に種の上にかぶせる用土のことです。
覆土をすることで、種が鳥などから食べられることがないように保護して、水分や湿度などの環境を発芽しやすい状態に維持することができます。
プリムラなどの一部の植物は、光が当たることで発芽する好光性種子(こうこうせいしゅし)ですので、覆土をしません。
種床に水遣り
クチナシの種まきの種床に水遣りをします。
種を水に浸けて水分を含ませていますが、乾燥している用土に種まきをすると水分を取られます。水分を取られることを防ぐために種床に種まきをする前に水遣りをします。
微塵は水はけ(排水性)と通気性を悪くしますので、鉢の底からキレイな透明な水が流れるまで水遣りをします。
クチナシの種まきをするための種床の準備ができました。
クチナシの種まきをする
クチナシの種と種床の準備ができましたので種まきをします。
種まきは種や種床の準備が大切です。種の数が多い場合は時間がかかり、根気がいる作業になります。
1辺が9センチの正方形のプレステラ105型に145個のクチナシの種をまきます。ピンセットを使って均等に並べました。
時間がかかりましたが、少しでも発芽率を向上させるために頑張りました。
クチナシの種まきの覆土
クチナシの種の上に用土をかぶせる覆土をします。用土は赤玉土の極小粒です。覆土の厚さが均一になるように土入れを使って用土を入れます。
鉢が小さい場合はスコップ(シャベル)より土入れのほうが使いやすいです。100均でも販売されていますのでオススメです。
種まきの作業において「覆土はどのくらいの厚さが適切か?」がよくある質問です。
種床を準備する段階で種の厚さを測り覆土の厚さを5ミリと決め、プレステラの段差まで覆土を入れるとよいことが分かっていますので、簡単になります。
種まきの後は水遣り
クチナシの種まきをした後はすぐに水遣りをします。
種床は水遣りをしていますが覆土が乾いた用土ですので、種が水分を取られることを防ぐために種まきをした後はすぐに水遣りをします。
クチナシの種まき後の管理
クチナシの種まきを冬に「採りまき」でしましたので、暖かくなる春に発芽するまで長期間、管理する必要があります。
種まきが上手くできた場合でも、その後の管理が悪いと発芽しないことがあります。
ラベルの設置
クチナシの種まきをした後は鉢に用土があるだけです。何の種をまいたか?分からなくなることがありますのでラベルを設置します。
ラベルは幅12ミリ、長さ60ミリの小さな園芸用ラベルが使いやすいです。小さくて目立ちませんのでオススメです。
私の経験からラベルはマジックより鉛筆やシャーペンで書いたほうが消えにくいです。
表面がツルツルしたラベルは鉛筆やシャーペンで文字を書くことができません。表面が少しザラザラしたラベルがありますので、ホームセンターや園芸店で探してみて下さい。
クチナシの種まきをした後は直射日光が当たらない明るい日陰、風通しのよい環境で管理します。
発芽に必要な環境は、3つの要素があります。「水分」「酸素」「温度」です。
「水分」は用土の表面が少し乾いたら、たっぷり水遣りをします。完全に乾かないように注意が必要です。
キッチンペーパーを置き、散水ノズルで水遣りができるように工夫しました。乾きにくくなるメリットもあります。
水遣りができない日は鉢受け皿に水を入れて「腰水」で管理するとよいです。長期間(3日以上)、「腰水」すると過湿で種が腐れることがありますので、気をつけて下さい。
「酸素」は通気性のことになります。用土に粒状の赤玉土を使っていますので、水分が適切であれば、赤玉土の粒と粒の隙間に空気がありますので、種に酸素を供給できます。
「温度」は発芽に適した温度である15~20度と、種を一度、低温に当てる休眠打破の2つがあります。
冬に屋外で管理すれば、休眠打破することができます。冬は乾燥して、風が強く吹きますので、寒い日でも用土が乾き、水遣りが難しい季節です。用土が完全に乾かないように管理します。
クチナシの種まきのまとめ
クチナシの種まきは、「実から種を取り出して水に浸け、種床を準備して種まきをする。」と言葉にすると簡単ですが、1つずつの作業を確実にすることが大切です。
ポイントを再度、確認してクチナシの種の発芽率を向上させましょう。
クチナシの種まきのポイント
- 種まきの時期は秋から冬に「採りまき」、または春の「春まき」。
- 種を低温状態にして休眠打破させる。
- 種を水に浸けて、水分をたっぷり含ませる。
- 種床は、どのような容器でもよく、普通の鉢が簡単。
- 種まきの用土は赤玉土、または、種まき専用の用土。
- 発芽するまで明るい日陰で乾かないように水遣りをして管理。
クチナシの種まきに特別な方法はありません。種まきをした後に用土が乾かないように、日々、管理することが大切です。
クチナシの種まきの今後
本格的に寒くなる時期である1月26日にクチナシの種まきをしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培していますので温暖な気候です。1月は1年で一番寒い時期ですが晴れて暖かくなる日がありますので、用土が乾かないように注意が必要です。
クチナシの発芽や成長の様子は、この記事を更新します。
実が美しい樹木の種まきをしていますので、参考にして下さい。
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