杉の育て方 ミニ盆栽の作り方


杉 ミニ盆栽

杉の育て方

杉の育て方
杉は、たくさん植えられている樹木です。日本の固有種で、樹高が50メートル以上にもなり、樹齢が2000~3000年の杉が日本各地にあります。材木としても、昔から多く利用されています。日本の文化に必要な樹木です。




杉を育てる場所

日当たりのよい場所から明るい日陰で育てます。風通しがよい場所
真夏の直射日光や西日は避けてください。

冬は霜に当たると茶色になるので、できればムロに移動させるなど保護しましょう。

茶色になっても枯れていないので安心してください。春になって暖かくなれば、緑色に戻ります。

ムロとは?

盆栽などの樹木を冬の間、保護をするための設備のことです。簡易ビニールハウスなどで冷たい風や積雪、霜などから保護できる場所。

ヒーターなどで加温する必要はなく、昼間に換気ができる窓があれば理想のムロです。

ホームセンターなどで販売されている簡易ビニールハウスが安くてよいです。天気のよい日に換気することが、ちょっと面倒です。

杉の水遣り

杉の水遣りは、水を好む樹木なので、たっぷり与えてください

春と秋は1日1回、夏は1日2~3回、冬は2日に1回ぐらいです。
葉にツヤがあると水が十分に足りています。ツヤがないときは水遣りをしてください。

杉に与える肥料

春から梅雨までと9月から11月ぐらいに固形肥料を与えると成長がよくなります
たくさん与える必要はありません。油かすなどの安い肥料で十分です。

杉に適した用土

杉は湿った環境を好むので、保水性をよくするために、赤玉土に多めに腐葉土を混ぜたものを使います。割合は赤玉土:腐葉土7:3から1:1ぐらいまで鉢の大きさや杉の成長に合わせて変えるとよいです。

杉をどのように手に入れようか?


杉の苗
杉は栽培しやすく、盆栽にすることが簡単な樹木です。樹形は限られますが、幹が茶色になりやすく盆栽らしくなりやすいです。「杉の盆栽を作ってみようかな。」と思い、素材(杉の苗)をどのように手に入れようか?と考えます。

ネットで「盆栽 素材 販売」と検索すれば、盆栽の素材を販売している盆栽専門店があります。盆栽より安いです。品種も分かるので安心できます。うまく育てることができるか不安があると、購入することにブレーキがかかります。

無料で杉の苗を手に入れる方法があります。杉はたくさん植林されています。杉の木の近くを探せば、杉の苗があるかもしれません。盆栽では山などで木や苗を採取することを山採りといいます

杉の苗を手に入れるために山採りをする。

山採りは、自然の中で育った木や苗を採取します。環境問題や法律的なことから、最近は難しいことです。私有地では、不法侵入と窃盗になります。国有地などでも犯罪になります。

木は、住宅のシンボルツリーなどの需要があり、山採りの自然な樹形のものは価格が高いようです。私有地や国有地などから木を山採りされて問題になっているケースもあります。

国有地などから花や種、苗などを持ち帰ることは、犯罪になるか?難しい判断になります。希少なもの絶滅の恐れがあるものは犯罪になります。一般的なものでも犯罪になりますが、起訴や逮捕されにくいです。

公園でどんぐりを拾って家に持って帰っても大丈夫です。大量に持って帰ると問題になります。一般常識の範囲なら問題にはなりません。

山採りをするなら、整備された公園や緑地、遊歩道のある山などがよいです。私有地でないことが、はっきりと分かるからです。人によって植えられた植物がわかりやすく、キレイに整備してある場所でなく、自然の状態の場所なら問題になりにくいです。

大きさを常識の範囲にすることが大切です。スコップは小さなものしか持っていかないことです。樹高が20センチぐらいまでの小さな苗を数本ぐらいまでを山採りします。自然環境を考えて土は元の状態に戻るようにしましょう。

山採りした杉の苗の成長させる。

杉の苗
山採りした苗をプランターで育てます。根の剪定をしないで植え付けることができるのでプランターが便利です。根の状態は苗によって異なります。横の方向に長く伸びていることもあります。丸い鉢に植え付けようとすると、根の剪定が必要になり、枯れることがあるから、できれば山採りした状態のまま植え付けます。

5本の苗がありましたが、1本は枯れてしまいました。残りの4本は順調に成長しています。先端ばかりが伸びようとするので芽摘みをして、樹高が高くならないようにします。1年目は先端の芽摘みだけで育てます。


冬 茶色
杉は冬の間は保護したほうがよいです。屋外でそのままにしておくと写真のように茶色になって枯れてしまったと勘違いしやすいです。暖かくなると緑色に戻ります。

太い枝の剪定は2月下旬から3月の芽吹き前がよいです。茶色から緑色に戻る前くらいに剪定しました。


緑色
暖かくなって緑色に戻っています。剪定をしてスッキリしました。植え替えをしてミニ盆栽を作ります。盆栽の杉は、葉が細かく大きくならない八房性の品種です。山採りした杉の品種は分かりませんがミニ盆栽に適していないこともあります。




杉のミニ盆栽の作り方

植え替え
山採りした杉の苗をプランターで育て、剪定しました。植え替えをしてミニ盆栽を作ります。左の大きな苗は、杉の苗を増やすために大きく育てます。杉は挿し木で増やすことができます。大きめの杉があれば、枝を切って挿し木にして、杉の苗を増やすことができます。右側の3本の杉をミニ盆栽にします。

杉のミニ盆栽のために準備するもの

普通の植え替えと同じで鉢と用土を準備します。スコップ、はさみ、用土入れなどの道具はあるもので十分です。

鉢について

鉢はたくさんの種類があります。杉の苗の状態や育てる環境によって選びましょう。
樹形がある程度できている場合は、盆栽鉢に植え替えます。これから樹形を作る場合は、普通の鉢がよいです。

土がたくさんあるほうが成長も早いです。浅鉢は夏の水遣りの管理が難しいので、昼間に家にいないことが多いと、ちょっと心配です。

3本の杉の苗は、初めて植え替えをします。樹形もできていないので普通の鉢に植え替えて成長させます。普通の鉢なら根の剪定も調整しやすいです。

どのような用土がよいか?

いろいろな種類の用土を持っている場合は、独自のブレンドで栽培することも盆栽の楽しみの1つです。基本の用土は赤玉土と腐葉土です。

赤玉土は粒状で排水性や通気性に優れています。杉は水を好むので腐葉土を混ぜることで、保水性を持たせます。

赤玉土と腐葉土を7:3の割合で用土を準備しました。赤玉土は中粒です。腐葉土はふるいにかけてから使用すると均等に混ざります。

杉の苗を植え付ける。

ポリポット
鉢はポリポットを用意しました。ミニ盆栽の素材を多く栽培するので、直径12センチのポリポット(4号)を100枚セットで購入したからです。樹形がよく成長したらきれいな鉢に植え替えます。ポリポットには自作でスリットをハサミで切りました。


準備
植え替えを手際よく、速くするために準備をしっかりしましょう。鉢に少し用土を入れます。追加する用土も十分な量を準備して植え替えを始めます。


水
植え替えで大切な作業は、根の剪定です。洗面器やバケツに水を用意します。杉の苗を取り出すためにスコップとフォークを準備します。スコップは普通のサイズのものと小さいものがあると使いやすいです。

フォークは盆栽用具の盆栽熊手、根掻き、根捌きの代用品で使っています。ステンレス製で錆びにくいです。土を取り除くときに使います。


取り出す
プランターはプラスチック製なので、引っ張って変形させると土がついたままの状態で、取り出すことができます。土がついたままの状態で入れることのできる容器があると便利です。大きめのプランターを使っています。


フォーク
根を傷つけないように注意して、フォークで硬く固まった土を取り除きます。


剪定①
根の剪定① バランスがよく、太い根が広がるように生えています。


剪定① 後
鉢に入らない長い根と幹から真下に伸びた直根の先端を剪定しました。根張りがよくなりそうな感じです。


剪定②
根の剪定② 右側にだけ太い根が幹から生えています。幹から伸びた直根も長く伸びています。あまりよい状態ではありません。


剪定② 後
左側にも根が生えてほしいので、多く剪定しました。どのくらいまで剪定して大丈夫か難しいですが、このくらいなら心配いりません。


剪定③
根の剪定③ ちょっと右側の根が強いようです。幹から根が四方八方に広がると、よい根張りになります。


剪定③ 後
長い根と直根の先端を剪定しました。

根の剪定の基本は、古い根や長く伸びた根を切ることです。盆栽では幹から真下に伸びた直根を短く剪定します。幹から横に生えた根を残して根張りをよくします。


水遣り
杉の基本の樹形は直幹です。幹がまっすぐになるように植え付けましょう。水をたっぷり与えます。鉢の底から最初は泥水が流れますが、たっぷり与えると透明な水になります。

植え替え後は、風通しのよい明るい日影で1週間ぐらい管理します。水切れに注意して、毎日、水遣りをしましょう。根を剪定したので水を吸収する力が弱くなっています。

杉の樹形を作る

杉のミニ盆栽①
杉のミニ盆栽① 幹が少し曲がって、まだ枝が少ない状態です。


杉のミニ盆栽②
杉のミニ盆栽② ほぼ直幹(ちょっかん)ですが、枝が少ないです。


杉のミニ盆栽③
杉のミニ盆栽③ 直幹で、枝が四方八方に延びて期待が持てます。

杉のミニ盆栽は、まだ小さな苗の状態です。植え替えをして、直根を剪定したことで、上に伸びようとすることより、根が四方八方に張れば、枝も四方八方に伸びてきます。根の状態と樹形には深い関係があります。

枝を作るための1年になります。幹も太くしたいので、少し肥料を与えてみます。基本は先端の芽摘みをして、樹高が高くならないようにすることです。今後の成長の様子を記録して記事を書きます。 この記事に追記していきます。



杉の成長 枝を増やして樹形を整える

杉のミニ盆栽① 

杉 ミニ盆栽 ① 5月
植え替えをして1ヵ月半後の5月の写真です。新緑がキレイで、先端にたくさんの芽吹きがあります。

先端
先端ばかり芽吹いて、樹高が高くなりそうです。幹を太くして、枝を作ることが目標なので、思い切って、先端を切りました

9月
猛暑の夏が終わり、9月の様子です。成長して、枝が伸びて葉が増えましたが、樹形を整えることが難しいです。枝の向きが悪いです。

枝の向き
枝の向きを修正するために、針金で枝をまとめました。枝の向きが斜め上に向くようになることを願います。

樹形
約1ヶ月間、針金で枝をまとめていました。10月に針金を外すと、枝の向きが修正されて、ちょっと雰囲気がよくなりました。

今シーズンの成長は10月になって終了です。樹形は少しよくなってきましたが、幹の太さは、ほとんど変化がありません。来春はキレイな浅い鉢に植え替える予定です。

杉の苗の増やし方

大きな杉
1つだけある大きな杉です。苗の中で成長がとてもよい杉です。樹形は根元が少し曲がって、よくないので杉の苗を増やすための杉の木にします。

杉は挿し木で増やすことができます。山や公園の杉はとても大きくて、挿し木をするための挿し穂(枝の先端)に、手が届きません。杉の木があれば、挿し穂を簡単に手に入れることができます。

花粉症のスギ花粉が心配になります。木が大きくならないと花が咲くことはないので大丈夫です。どうしても心配な場合は、3月ごろに注意して観察して、花がないか確認しましょう。花があっても咲くことは少ないですが、咲く前に取り除きます。


挿し木
不要な先端の枝を挿し木にしました。根が伸びています。挿し木に成功すると、杉の苗を増やすことができるようになります。

挿し木の杉の苗は、ミニ盆栽に適しています。枝は均等に伸びて、根も直根がなく、四方八方に広がっています。これを植えつけたほうが、樹形のよいミニ盆栽ができます。

挿し木は、実験的にやってみたので記録の写真がありません。枝の大きさを変えて、挿し木してみました。


挿し木 小さい
小さい枝でも、根が出ました。杉の挿し木については、しっかりと記録をしてから記事に書きます。枝の大きさや気温などの条件も、研究してみます。  
 

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