しだれもみじ(枝垂れモミジ)の育て方 鉢植えで紅葉を楽しむ



しだれもみじ 枝垂れモミジ
鉢植えのしだれもみじ(枝垂れモミジ)の紅葉

しだれもみじ(枝垂れモミジ)について

しだれもみじ(枝垂れモミジ)は、大きく分けて青しだれ(アオシダレ)紅しだれ(ベニシダレ)があります。

ヤマモミジの園芸品種で、枝が垂れるモミジをしだれもみじ(枝垂れモミジ)と呼びます。葉の切れ込みが深く、葉の縁がギザギザしていることが特徴です。葉は長さ5センチ、幅3センチほどで7~9つに裂けています。

青しだれ(アオシダレ)は、最も多く和風庭園に使われます。枝が冬でも緑色であるため青しだれ(アオシダレ)と名付けられました。秋になると黄色あるいは褐色に紅葉します


紅しだれ(ベニシダレ)は、春に芽吹くが紅色で、枝が垂れるモミジの総称。「手向山」などの数多くの品種がある。夏は葉が緑色に、秋には黄色あるいは褐色に紅葉します



しだれもみじ(枝垂れモミジ)の育て方の基本

落葉樹で比較的成長は遅く、耐寒性・耐暑性に強いです。日当たり、風通しがよい場所が適しています。日差しが強すぎると葉焼けします。

湿気がある土がよく、乾燥地では栽培が難しいです。腐葉土などを入れて保水性、排水性のよい用土で栽培します。

剪定は、落葉期に枝を根元から剪定する枝透かしがよいです。枝分かれの所で不要な枝を根元から切ります。暑い夏に剪定すると樹勢が弱くなります。普通のモミジに比べて、剪定後の芽吹きが少ないです。

秋にキレイに紅葉させるために、葉を健康に保つことが大切です。夏に水切れを起こさないよう管理に注意する必要があります。真夏は、日陰で栽培したほうが心配が少ないです。

しだれもみじの育て方が簡単にわかるサイトがありました。
参考サイト 枝垂れもみじの育て方

通販サイトの「World Flower Service」さんの「育て方・お手入れ方法」です。たくさんの花や木の育て方が掲載されています。


和風の庭にとてもよく似合う しだれもみじ(枝垂れモミジ)

枝がしだれる特徴のある樹形は、和風の雰囲気があり、切れ込みが深く、繊細な葉は涼しげで、和風の庭にとてもよく似合います

の清々しい新緑、のさわやかで涼しげな姿、の色鮮やかな紅葉、の落葉後は樹形を楽しむことができます。季節を感じることのできる樹木は、心を豊かにしてくれます。

シンボルツリーとしても人気がある しだれもみじ(枝垂れモミジ)

しだれもみじ(枝垂れモミジ)は、洋風にも似合います。玄関の近くに植えるシンボルツリーとして、四季によって変化があり、季節感を大切にすることができる樹です。

成長が遅いので、剪定する必要が少なく、管理が楽です。小さい樹でも存在感があるので、鉢植えにして玄関に置くことができます。

しだれもみじ(枝垂れモミジ)を楽しむために

庭木やシンボルツリーは、庭を造るときや家を建てるときに、樹木を植えています。あとからしだれもみじ(枝垂れモミジ)植えることは難しいです

庭は、造園業者が設計図を作って、バランスよく、配置を決めて、樹木を植えたり、石などを並べています。完成した庭に、新しい樹木を植えることは、バランスが悪くなる可能性があります

シンボルツリーは、家が完成したときにシンボルツリー用のスペースに樹木を植えます。植えてある樹木を取り除き、しだれもみじ(枝垂れモミジ)を植えることは、費用がかかり、シンボルツリーを変更する決心も必要です。

新しい樹木を育てるには、地植えは、場所の確保など難しいことがあります。いろいろな樹木を楽しむために、鉢植えが最適です。移動することができ、大きくないので剪定や落ち葉の心配もありません。

普通に販売されている樹木の苗木を、鉢植えで栽培することで、気軽に新しい樹木にチャレンジできます。しだれもみじ(枝垂れモミジ)は、春の新緑秋の紅葉がとても美しい樹木なので、その時期だけ玄関に飾ることもできます。


しだれもみじ(枝垂れモミジ)を鉢植えで育てる。

苗木
樹木の苗木は、ホームセンターや園芸店、ネット通販などで販売されています。地植えにするための苗木ですが、鉢植え問題なく栽培できます

写真には、いろいろな樹木の苗木がありますが、在庫処分品を購入しました。ホームセンターでは、樹木の苗木は季節商品です。季節に合わせた樹木の苗木を店頭に並べます。売れ残りは、廃棄されるか、処分価格で販売されます

ホームセンターによって、売れ残りの苗木を処分価格で販売するか?違いがあります。店長の判断?園芸コーナーの店員の判断?同じ大手のホームセンターでも店舗によって、価格などに違いがあります

とてもラッキーなことに、しだれもみじ(枝垂れモミジ)苗木が在庫処分品として、販売されていました。販売されている価格の10分の1以下の値段です。

しだれもみじ(枝垂れモミジ)を植木鉢に植え付ける

スリット鉢
しだれもみじ(枝垂れモミジ)を栽培するために、スリット鉢を用意しました。八角形で底に大小のスリットが交互にあります。成長がよくなると評価が高い商品です。

在庫処分の苗木は、長い間、ビニールポットで栽培されて、根詰まりしている可能性が高いです。少しでも早く、健康な状態にするためにスリット鉢で栽培します。


小さな穴
スリット鉢は、材質はプラスチックです。通気性がないことが欠点です。側面にドリルで小さな穴をたくさん開けて、通気性を改善しました。少しでも効果があることを願います。


腐葉土
しだれもみじ(枝垂れモミジ)の用土は、基本の赤玉土腐葉土です。湿気のある用土が適しているので、赤玉土:腐葉土6:4の割合で混ぜました。


水遣り
植え付けの最後は、水遣りです。底から流れる水が、最初は泥水ですが、透明になるまで、たっぷりと水遣りをします。植え付け後は、根からの水の吸収が上手くできないので、日陰で1週間ぐらい管理します

しだれもみじ(枝垂れモミジ)の1年目の様子

青しだれ アオシダレ
樹形や枝、幹から判断すると購入した苗木は、青しだれ(アオシダレ)のようです。在庫処分の苗木には、ラベルがなく、自分で判断する必要があります


接木
樹木の苗木は、接木されたものが多く、接いだ部分が根元にあり、鉢植えにすると、ちょっとカッコ悪いです。樹が元気に成長したら根元をキレイにします。

春の新緑は、清涼感があり、とても美しい

芽吹き
春の芽吹き、しだれもみじ(枝垂れモミジ)の特徴である深い切れ込みのあり、縁がギザギザの葉が芽吹きました。樹の状態はよさそうです。春の新緑は、とても美しいです。


樹形
すべての葉が芽吹いた状態になりました。幹に曲げがあったので、樹形も悪くはないです。枝の向きを少し変えたりすると、もっとよくなりそうですが、1年目なので、何もしないで、樹勢がしっかりすることを目標にします。

夏の濃い緑色は、存在感があります。

濃い緑色
夏になると、葉の色が濃い緑色になりました。春から夏に、葉の色の変化があり、濃い緑色は、力強さを感じることができ、存在感があります

とても順調に栽培できています。地植え用の樹木の苗木でも、鉢植えで元気に栽培することができます。

夏は、水切れに注意して、最低でも朝と夕方の2回水遣りをします。水切れすると葉の先端付近が枯れます。一度枯れた葉は、元には戻りません。

栽培1年目なので、特に注意して置く場所を変えたり、水遣りを忘れることなく、猛暑の夏を過ごしましたが、残念なことに、葉先が少し葉枯れしました

葉枯れの原因は、水切れです。猛暑の夏は、1日に3回の水遣りが必要みたいです。朝と夕方の1日に2回では、午後2~3時の一番暑い時間帯に水切れする可能性が高いです。

1日中、在宅することは無理です。対策方法として考えることができるものは、
  • 自動潅水装置の設置
  • 鉢を大きくして、地植えに近い環境にする。
  • 完全に日陰になる場所に置く
普通のモミジに比べて、葉が細いので、葉枯れしやすいしだれもみじ(枝垂れモミジ)。キレイな紅葉を楽しむためには、対策をしっかりする必要があります。来夏にいろいろな対策を試します。

秋に紅葉は、色のグラデーションを楽しむことができます。

紅葉 始まり
秋になり、朝が少し寒くなると、紅葉が始まります。 秋の紅葉は、しだれもみじ(枝垂れモミジ)一番のイベントです。


紅葉 上
樹の上の部分から紅葉して、色が変化しています。しだれもみじ(枝垂れモミジ)の紅葉の特徴は、葉全体の色が変化するのではなく、1枚の葉が先端に向かって色が変化しているグラデーションです。


紅葉
全体が紅葉して、見ごろを迎えました。とてもキレイな紅葉で、頑張って水遣りをした苦労が報われます。鉢植えは移動できるので、玄関に置くと季節感があり、家の雰囲気をよくすることができます。


グラデーション
葉の根元は赤く、葉先に向かって黄色になったグラデーションが、とても美しく、品があります。紅葉した状態では、まだ枝が少なく、葉の数をもっと増やす必要があることがわかりました。

冬は落葉して寂しくなります。

落葉
冬になると、紅葉が終わり、強い風で落葉が始まります。最初に紅葉した上の部分から落葉しています。


落ち葉
落葉樹は、冬の初めの落ち葉の掃除が大変です。住宅が密集している所では、近所迷惑になることもあるので注意しましょう。鉢植えなら落葉が始まったら、ハサミで葉をすべて切り取りましょう

まだ紅葉している葉が残っていますが、掃除やトラブルになることを考えると、落ち葉を散乱させないようにしましょう

しだれもみじ(枝垂れモミジ)の1年目の栽培は、大きな問題がなく無事に終了しました。春の芽吹きまで休眠期になります。冬の管理は、地域の気候によって異なります

福岡県は、積雪することが冬の間に1~2回ぐらいで、屋外で冬越しすることができます。寒い地域では、積雪で枝が折れたり、鉢植えは土まで凍ると樹が枯れることもあります。軒下やムロなどで保護する必要があります。



しだれもみじ(枝垂れモミジ)の病気

しだれもみじ(枝垂れモミジ)に発生する病気についてまとめました。

発生してすぐの初期の段階で、しっかり対処することで、病気の被害が広がることを防ぎ、病気が治るまでの期間も短くなります

水遣りのときなどに、よく観察して異常がないかチェックしましょう。

 

うどんこ病

うどん粉(白い粉)をまぶしたように葉が白くなります。原因は葉に付着したカビなどです。胞子が飛び、広い範囲に被害が広がります。乾燥しているときは特に注意が必要です。

一度発生すると、翌シーズンも発生しやすくなります。発見したらすぐに対策をして、被害が広がることを防ぎます。   

一番簡単な対処法は、葉に水をたっぷりかけることです。うどん粉病のカビの菌は水に弱く、湿った状態では繁殖することができません。

完全に治療する方法は、白くなった葉を取り除き、残った葉に、薄めた酢(酸性)や重曹(アルカリ性)をスプレーします。酢の酸性や重曹のアルカリ性によって、カビの菌を死滅することができます。

市販の植物の薬で、うどん粉病に効果があるものがたくさん販売されてあるので、市販の薬を使うと簡単です。


 

黒紋病(こくもんびょう)

初期症状として葉の表面に黄緑色の小さな斑点が発生します。その後、大きな黒い光沢のある厚さ2~3ミリの隆起物ができます

葉は落葉することがないですが、発生した葉と周辺は紅葉することがなく、緑色のままになることが特徴です。
 
黒紋病が発生した葉は、すべて取り除いて、燃えるごみとして処分します。ダイセン、ベンレート水溶液、マネージ乳剤、ポリオキシンAL乳剤なども効果があります。



首垂細菌病(くびたれさいきんびょう)

初期症状は、枝の先端部分に黒い斑点ができます。その後、葉がしおれて褐色に変わり、
葉のほとんどが枯れる病気です。新しく伸びた柔らかい枝や葉が病気になります。

細菌病で、はっきりとした原因は不明です。自然に良くなっていくことが多く、他の樹に被害が広がらないように、離して栽培すると安心できます。



胴枯病(どうがれびょう)

カビなどの糸状菌が病原菌で、剪定した傷口や弱った新芽から感染します。幹や枝の樹皮が赤、黒褐色に変わり細かいブツブツができます

病原菌が雨水や虫によって広がり、枝から幹に向かって症状が進行します。発生した部分から上の枝や幹が枯れます。

対処法は、病気が発生した部分を取り除き、切り口にはトップジンMなどの殺菌剤の入った癒合剤を塗って、傷口から感染を予防することです。



ビロード病

葉の裏に、円形で黄白色~淡緑色の膨らみができ、その後、淡褐色~紅褐色のビロード状となる。発生した部分の裏側(葉の表)は、淡黄色に変色して盛り上がっている。

フシダニの一種に寄生・吸汁された刺激で起きる障害で、病気ではありません。葉が上に向かって曲がるので、裏の紅くなった部分が目立ちます。

対処方法は、発生した葉をすべて取り除きます。フシダニは樹の組織の内部にいるため、発生後は薬剤の効果が薄いです。




しだれもみじ(枝垂れモミジ)の鉢植え 2年目の栽培

根元に近い枝は樹形のバランスを見ると不要です。落葉している間に剪定するべきですが、しだれもみじ(枝垂れモミジ)ミニ盆栽を作るために、取り木にチャレンジしました。

取り木は樹木を増やす技法の一つで、枝を切り取り新しい樹を作ります。環状剥皮法で取り木をします。

表皮
枝の表皮をカッターで剥ぎ取ります。剥ぎ取る幅は枝の太さの1.5倍くらいです。幅が狭いと盛り上がったカルスが剥ぎ取った傷を覆い、発根しません。木質部に至るまで形成層をすべて剥ぎ取ります。


ビニールポット
 3号(直径9センチ)のビニールポットをハサミで切り、枝に設置できるようにします。


ホッチキス
 枝に設置してビニールポットの一部を重ねて、ホッチキスで留めます。


針金
 ビニールポットが動かないように、針金を使って幹に固定しました。


剥皮部
剥皮部の位置がビニールポットの中心になるように調整します。


細粒
赤玉土か鹿沼土の細粒をビニールポットに注ぎ、剥皮部がキレイに隠れることを確認します。


水遣り
最後に水遣りをします。用土が乾かないように水遣りをする必要があります。剥皮部の傷を修復するために、カルスが発生します。

カルスは未分化の細胞のことで、環境により樹皮、枝、根に転化します。根に転化する条件は適度な湿気と通気です。

春の芽吹き前に取り木をしたので、発根を確認することができるのは1ヵ月後ぐらいです。発根の状態がよければ3ヵ月後には、切り離して鉢に植え付けることができます

取り木の今後は記事を更新します。夏には小さなしだれもみじ(枝垂れモミジ)ミニ盆栽ができる予定です。

しだれもみじを針金で枝の向きを修正する。

新緑
ホームセンターで購入したしだれもみじ(枝垂れモミジ)の苗木を鉢植えで栽培して2年目の春。新芽が芽吹き、新緑がとても美しいです。緑がまだ薄く、これから夏にかけて濃い緑色になります。

枝は増えていませんが、先端が伸びて葉が増えました。枝が同じ向きに伸びているので葉が重なり、涼しい雰囲気がありません。枝の向きを修正して広がりのある樹形にします。

針金を使って枝の向きを修正する。

針金
しだれもみじ(枝垂れモミジ)を上から見ると、左右の枝が同じ向きに伸びています針金を使って、幹から伸びる枝の向きを修正します。

幹に針金を巻いて、しっかり固定して、枝に向かって巻き進めます針金は2ミリのアルミ線を使いました。銅線よりやわらかいですが再利用できることがメリットです。

銅線は硬くなるのでニッパーで切って取り外しますが、アルミ線切らずに取り外すことができます


曲げる
右側にある3つの枝、一番上の枝はそのままにして、一番下の枝を前に根元から曲げて、真ん中の枝は後ろに曲げます。

枝を折らないように少しずつ、ゆっくり曲げます。1箇所で大きく曲げずに、緩やかに曲げます。

美しい樹形を作り、新緑から紅葉まで楽しむ。

重なり
枝の重なりがなくなりました。新緑の時期は枝が柔らかく、針金で修正しやすくなります。枝が成長して太くなると、針金が食い込み傷が付きます水遣りのときに観察して、食い込む前に取り外します。


横方向
横方向からも見て、枝の向きを確認します。風通しがよくなるようにすると、病害虫の被害が少なくなります

しだれもみじ(枝垂れモミジ)の小さな鉢植えは、少し手入れをするだけで見栄えが大きく変化します。秋の美しい紅葉を楽しむために、春から樹形を作ることが大切です


しだれもみじ(枝垂れモミジ)の育て方 まとめ

一般的に販売されている苗木のしだれもみじ(枝垂れモミジ)鉢植えで1年間栽培しました。鉢植えでも、問題なく栽培できて、秋の紅葉を楽しむことができました

わかったこと。

春に新芽が芽吹いて、その後は芽吹きほとんどありません。成長が遅く、大きな樹にするには時間がかかりそうです。大きく成長させたい場合は、地植えがよさそうです。

枝もほとんど伸びていないので、剪定の必要がないことは、ありがたいですが、樹形を作ることができません。苗木は、樹形をよく見て慎重に選ぶようにしましょう。

失敗したこと。

夏に葉先が少し葉焼けしたことです。毎日、朝と夕方の2回の水遣りをして、半日陰に置いていましたが、葉焼けしました。

水遣りの回数を増やすことは難しいので、真夏は、完全な日陰に置くことで対策するべきでした。腐葉土の割合をもう少し増やすと効果があるかもしれません。

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