ヒメリンゴ(姫林檎)の挿し木のポイント:【実践】多くの写真で詳しく説明


ヒメリンゴの挿し木
秋に小さなリンゴのを楽しむことができるヒメリンゴ(姫林檎)。小さなミニ盆栽を作るために、挿し木で増やして素材を手に入れます。

ヒメリンゴ挿し木発根率は悪くはないとの情報が多いですが、実際に挿し木をして確認します。

ヒメリンゴの挿し木のポイント

  • 挿し木の時期は春の3月頃と初夏の6月から7月
  • 挿し穂を30分から2時間ぐらい水につけて水揚げ
  • 水の中で切る水切り切り口を斜めに切る
  • 発根促進剤ルートン」を切り口付近に付着させる
  • 挿し床用土赤玉土の小粒と極小粒
  • 挿し木した後は明るい日陰で管理
  • 用土が乾かないように水遣りをする


ヒメリンゴの親木

ヒメリンゴの親木
ヒメリンゴ挿し木をするためには親木が必要です。園芸店で購入したヒメリンゴを鉢植えで育てています。挿し木親木として利用できますので、樹形が悪く、価格が安い苗木でも、購入して育てる価値があります。

親木がない場合は、友人や知り合い、ご近所にヒメリンゴを育てている方がいれば、お願いして枝を譲って頂くとよいです。最近はフリマ(メルカリやヤフオクなど)で挿し穂を販売していることがあります。

ヒメリンゴ鉢植え樹高は40センチぐらい。11月に購入しましたが、九州地方の福岡県で育てていますので暖かい日が続き、先端が芽吹きがあります。

落葉した冬に徒長した枝を剪定する必要があります。剪定した枝を挿し穂に利用して、挿し木にチャレンジします



ヒメリンゴの挿し木の時期

ヒメリンゴ挿し木に適した時期は、春の3月頃と初夏の6月から7月です

前年に伸びた枝を使う挿し木は、「古枝挿し」と呼ばれます。暖かくなり始めた3月頃に挿し木をすることから「春挿し」と呼ぶこともあります。

新しく芽吹いて伸びた枝を使う挿し木は、「緑枝挿し」です。春から伸びた新しい枝を使います。梅雨時期の6月から7月に挿し木をしますので、湿度が高く、枯れにくい特徴があります。

「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種や品種によって発根率が異なります。

挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。



ヒメリンゴの挿し木に必要な道具

ヒメリンゴの挿し木に必要な道具
ヒメリンゴ挿し木に必要な道具は、ホームセンターや園芸店、100均で販売されていますので簡単に購入できます。
  • 発根促進剤「ルートン」
  • カッターやカミソリなどのよく切れる刃物
  • ハサミ
  • 水揚げをするための容器
  • 挿し床用の鉢と用土(赤玉土の小粒、極小粒)
  • 竹串や割りばしなどの棒


ヒメリンゴを剪定して挿し穂を作る

ヒメリンゴを剪定して挿し穂を作る
鉢植えで育てているヒメリンゴ剪定して、剪定した枝を利用して、挿し穂を作ります。ヒメリンゴ剪定に適した時期は夏と落葉した冬です

夏の剪定を少し早くすれば「緑枝挿し」ができます。冬の剪定を2月下旬にすれば「古枝挿し」が可能です。

剪定した枝を捨てることはもったいないので、時期を少しずらして挿し木挿し穂に利用すると無駄なく、ヒメリンゴの素材を手に入れることができます。


ヒメリンゴの剪定

ヒメリンゴの剪定
ヒメリンゴ剪定は成長して長く伸びすぎている徒長枝を短く切り詰めます鉢植えの写真でわかるように、ヒメリンゴは短く充実した枝につきます。


徒長枝を剪定
がある徒長枝剪定しました。ヒメリンゴ挿し木をするための挿し穂になります。


ヒメリンゴの剪定後
ヒメリンゴ剪定後。長く伸びた徒長枝が残っています。2月下旬に剪定をしてヒメリンゴの「古枝挿し」にもチャレンジする予定です。

剪定した枝を利用した挿し木は気軽にチャレンジできます



剪定した枝の水揚げ

水揚げ
ヒメリンゴ剪定した枝を水につけて水揚げをします。がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。が水に漬かるように、水揚げは大きな容器が適しています


水揚げして水分を含ませる
水揚げする時間は、30分から2時間ぐらいが基本です水揚げをする時間は、一晩などといろいろな情報がありますが、私の経験から30分ぐらいで十分です。挿し木をした後の管理のほうが大切になります。

水揚げが終わるまで30分ぐらい待つ時間がありますので、次の章の「ヒメリンゴの挿し床の準備」をするとよいです。

剪定した枝から挿し穂を作る

剪定した枝から挿し穂を作る
剪定した枝は、長い枝や短い枝といろいろな長さがあります。挿し木をするための挿し穂は、同じ長さにすると挿し床の鉢に挿しやすくなります

挿し穂の下の部分は、土に挿しますので、を取り除きます。手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、の付け根をハサミで切るとよいです。先端のを2~4枚ぐらい残します。



ヒメリンゴの挿し穂の葉切り

ヒメリンゴの挿し穂の葉切り
挿し穂は、先端のをハサミを使って半分に切りますの先端は細く、水切れして枯れやすいです。がなく水を吸収できないですので、すぐに枯れます


葉からの蒸散を減らす
から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は蒸散することで、から水を吸収します。


大きな葉は2/3ぐらいを切る
から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。大きなは2/3ぐらいを切り、小さくします。小さなは無理に半分に切らないでも大丈夫です。


葉切りしたヒメリンゴの挿し穂
葉切りしたヒメリンゴ挿し穂の面積が小さくなることで蒸散する水の量を減らし、枯れることを防ぎます。


剪定した枝が挿し穂になる
剪定した枝が挿し穂になりました。切り取ったのほうが量が多いです。


 

挿し穂の切り口を作る

挿し穂の切り口を作る
挿し穂の一番下の部分は水を吸収しますので、枯れることなく発根するために、大切です。剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります

よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。 樹種や品種によっては切り口から雑菌が入り、枯れることがあります。


水の中で切る水切り
切り口を作るときは水の中で切る水切りをします。水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると水の通りが悪くなります。

花屋さんなどでも切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。水の中で切る水切りは大きな容器を準備すると簡単できます。刃物を使う作業ですので、ケガに注意します


切り口を斜めにする
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の切り口にするとよいです。


挿し穂を水切りで切り口を作る
すべての挿し穂水切り切り口を作りました。挿し穂が枯れる可能性を小さくすることが、発根して挿し木が成功するためのポイントです。



ヒメリンゴの挿し穂が完成

ヒメリンゴの挿し穂が完成
ヒメリンゴ挿し穂の大きさは、小さなものは枝の部分が4センチぐらい。


挿し穂の大きさ
大きなものは6センチぐらいあります。挿し穂の大きさが発根にどのくらい影響するか?ヒメリンゴ挿し木が成功すれば確認できます。


ヒメリンゴの挿し穂は3本
完成したヒメリンゴ挿し穂は3本あります。1本でよいので成功してほしいです。

ヒメリンゴの親木を剪定して、枝から挿し穂を作ることは簡単ですが、多くの挿し穂を作るためには時間が必要になります。

挿し穂が枯れることがありますので、挿し穂の数が多いほうが、挿し木が成功してミニ盆栽を作るための素材を手に入れる可能性が高いです



ヒメリンゴの挿し床

ヒメリンゴの挿し床
挿し木で、用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます

挿し床発根できるように水はけ(排水性)や通気性がよく、雑菌を防ぐために清潔な容器と用土を使います。

ヒメリンゴ挿し床用土赤玉土、容器はプラスチック製の鉢を使います。



挿し床の容器はプレステラ105型

挿し床の鉢はプレステラ
ヒメリンゴ挿し木挿し床の鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にしました。ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され価格が安いですので、おすすめの鉢です。


プレステラはスリットと仕切りが設置
容器はどのようなものでも大丈夫ですが、発根した後もしばらくの間、そのままの状態で管理しますので鉢を使いました。

プレステラのサークリング現象を防ぐスリットと仕切りが設置され、植物が元気に良く育つ鉢です。


プレステラの大きさ
プレステラ105型は、1辺が9センチぐらいの正方形の鉢。普通の円形の3号(直径9センチ)より少し大きな鉢になります。


挿し穂の長さから鉢のサイズを決める
プレステラ105型の高さは8センチ。

挿し穂が倒れないように、挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。



挿し床の用土は赤玉土の小粒と極小粒

挿し床の用土は赤玉土の小粒と極小粒
ヒメリンゴ挿し床用土赤玉土の小粒と極小粒です

挿し木用土は配合された専用のものと赤玉土鹿沼土などがありますが、乾いて水切れしなければ大丈夫ですので好みで選ぶとよいです。

普段からよく使い価格が安く手に入りやすい赤玉土を使いました。


赤玉土の小粒
赤玉土の小粒は直径3~5ミリぐらいです。


赤玉土の極小粒
赤玉土の極小粒は直径2~3ミリぐらい。

ホームセンターや園芸店で販売されている赤玉土の小粒を「ふるい」を使って微塵を取り除き、小粒と極小粒に分別して使っています。



ヒメリンゴの挿し床の準備

鉢の底は赤玉土の小粒
鉢の底は排水性(水はけ)がよくなるように、赤玉土の小粒を入れます

挿し穂水切れして乾かないように保水性が高い用土がよさそうですが、が成長するためには酸素も必要になります。

発根した後にが元気に成長できるようにすると、早く鉢上げすることができます。


鉢の高さの半分まで赤玉土の小粒を入れる
鉢の高さの半分ぐらいまで赤玉土の小粒を入れます。プレステラではスリットが隠れて見えなくなるまで入れるとよいです。


表面は赤玉土の極小粒
表面は赤玉土の極小粒を入れて乾きにくくしました。


段差 ウォータースペース
プレステラは上部に段差があります。段差まで用土を入れるとウォータースペースができますので便利です。


用土に水を吸収させる
鉢に入れた用土に水をたっぷり吸収させます。


最初は泥水
鉢の底から最初は泥水が流れ出ます。赤玉土の表面に付着している微塵です。


微塵が固まる
微塵が固まると水はけ(排水性)や通気性が悪くなりますので、透明な水が流れ出るまで水をたっぷり与えます。

ヒメリンゴ挿し木挿し床の準備ができました。


ヒメリンゴの挿し木

ヒメリンゴの挿し穂と挿し床の準備
ヒメリンゴ挿し穂挿し床の準備ができましたので挿し木をします。


発根促進剤「ルートン」を付着させる

発根促進剤「ルートン」を付着させる
植物の発根を助ける発根促進剤「ルートン」。使用することで発根する可能性が高くなります。


価格が安い
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。


発根促進剤「ルートン」は粉末
発根促進剤「ルートン」は粉末ですので、鉢受け皿やペットボトルのキャップなどの容器に出して使います。


ルートン液を作る
使い方は水で溶いてルートン液を作り挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。


挿し穂の切り口に付着させる
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。挿し穂水揚げによって水に濡れていますので、鉢受け皿に出した発根促進剤「ルートン」の粉末に挿し穂切り口付近を入れるだけで、適量を付着させることができます。


3本の挿し穂の切り口に発根促進剤ルートン
3本の挿し穂切り口付近に発根促進剤「ルートン」を付着させることができました。


切り口の断面に付着させない
切り口付近と表現しているのは切り口の断面には発根促進剤「ルートン」を付着させてないからです。断面から水を吸収しますので、キレイな状態を維持します。



挿し床に挿し穂を挿す

割りばしで穴を作る
ヒメリンゴ挿し穂挿し床に挿します。挿し床に割りばしなどの棒で穴を作ります

よく切れる刃物で挿し穂切り口を作りましたので、切り口が傷つかないように穴を作って挿し穂を挿します。発根促進剤「ルートン」が取れることを防ぎます。


挿し穂を斜めに挿す
挿し穂を斜めに挿すと土の中に深く挿すことができ、挿し穂が動くことを防ぎます。発根した直後はとても細いですので、挿し穂が少し動くだけでが切れます。


準備した挿し穂を挿す
割りばしで作った穴に準備した挿し穂を挿します。


挿し穂と用土の間に隙間がある
挿し穂用土に間に隙間があります。


挿し穂が動かないように用土を寄せる
挿し穂が動かないことを防ぐために隙間がなくなるように用土を寄せます。


ヒメリンゴの挿し木が完成
3本の挿し穂挿し床に挿して、ヒメリンゴ挿し木が完成しました。

ヒメリンゴ挿し木ができました。難しいことはなく、ゆっくり落ち着いて作業すれば、誰にでも簡単にできます。



15本の挿し穂をすべて挿すことができました。

最後に水を入れた容器に鉢を浸して、たっぷり水を吸わせます。用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。



ヒメリンゴの挿し木の管理

ヒメリンゴの挿し木の管理
挿し木をした後に水遣りをします。用土の隙間がなくなり締まることによって、挿し穂がしっかり固定されます。



ヒメリンゴの挿し木の置き場所

ヒメリンゴ挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。

挿し木が難しく、発根するまで時間が掛かる場合は、が枯れないように、ビニール袋を使って密閉挿しにします

ビニール袋やペットボトルを使った密閉挿しは、が枯れること防ぎますが、カビが発生しやすいデメリットがあります

用土は、雑菌が少なくなるように新品を使い、枯れたはカビが発生する原因になりますので、すぐに取り除く必要があります。

ビニール袋をかぶせると、水遣りのときに、取り外す必要がありますので、鉢受け皿に水を入れて、底面給水するとよいです

鉢底石の代わりに、赤玉土の小粒を使っていますので、底面給水できます。



ヒメリンゴの挿し木の水遣り

ヒメリンゴ挿し木を成功させるためには発根するまで用土の水分を維持することが大切です

用土が乾かないように管理します。赤玉土の色が変わる程度の湿り気を維持します。水分が多すぎるとカビが発生することがありますので、注意が必要です。

水遣りができないときは鉢受け皿に水を入れて、底面給水するとよいです。



ラベルの設置

ラベルの設置
ヒメリンゴ挿し木ができましたので、ラベルの設置をします。

たくさんの植物を育てていますので、名前を忘れることがあります。ラベルの設置をすると、水遣りのときに確認できますので、便利です。


園芸用のラベル
小さな鉢ですので、ホームセンターや園芸店で販売されている小さな園芸用ラベルを使います。幅が約12ミリ、長さが約60ミリの短冊です。

小さなラベルをハサミを使って縦に半分に切ると、2倍の枚数になり節約になります。


ラベルの文字は鉛筆で書く
植物は屋外で管理しますので、時間が経過するとラベルの文字が消えて見えなくなることがよくあります

ラベル用の専用のペンが販売されていますが、私の経験では鉛筆が書くほうが文字が消えにくいです。ラベルの表面がツルツルでなく、少しザラザラしたものは鉛筆で書くことができます。


端に文字を書く
ラベルは土に挿しますので、端に文字を書くとよいです。


ラベルの裏には日付
ラベルの裏には日付を書きました。日付を記載すると鉢上げの時期が分かりやすくなります。


ピッタリの位置に設置
プレステラの縁のピッタリの位置にラベルの設置ができました。



ヒメリンゴの挿し木のまとめ

ヒメリンゴ挿し木のポイント
  • 挿し木の時期は春の3月頃と初夏の6月から7月
  • 挿し穂を30分から2時間ぐらい水につけて水揚げ
  • 水の中で切る水切り切り口を斜めに切る
  • 発根促進剤ルートン」を切り口付近に付着させる
  • 挿し床用土赤玉土の小粒と極小粒
  • 挿し木した後は明るい日陰で管理
  • 用土が乾かないように水遣りをする
ヒメリンゴ挿し木のポイントは7つだけです。必要なものを準備できれば、難しいことはありません。気軽にチャレンジできます。



ヒメリンゴの挿し木の今後

ヒメリンゴの挿し木の今後
ヒメリンゴ挿し木の今後の様子は、この記事を更新します発根の様子、鉢上げしてミニ盆栽を作るまでを記録します。

12月8日ヒメリンゴ挿し木をしました。九州地方の福岡県の平野部で栽培していますが、寒くなり始めましたので、暖房を入れない室内で管理します。

ヒメリンゴの実から種を取り出して、種まきにチャレンジした記事がありますので、参考してください。
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