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南天(ナンテン)の種まき(実生)のポイント:【実践】実から種を取り出して種をまく

2021/06/06

ミニ盆栽 種まき

枝についた南天の実
南天(ナンテン)の

南天は、「難を転ずる」ことに通じますので、自宅の庭に縁起木、厄よけ、魔よけとして植えらることが多く、和風の家には現在でも人気の樹木の1つです。初夏の6~7月にが咲き、秋の11月ぐらいから冬の間、を楽しむことができます。

庭に植えられた南天がありましたので、を取り出して種まき(実生)をします。発芽した苗木を使って南天ミニ盆栽を作ります。

 多くの写真で詳しく説明していますので、参考にして下さい。

南天種まきのポイント
  • 種まきの時期は、秋から冬に「採りまき」、または春。
  • を低温状態にして休眠打破させる。
  • を水につけて、水分をたっぷり含ませる。
  • 種床は、どのような容器でもよく、普通の鉢が簡単。
  • 種まき用土は赤玉土、または、種まき専用の用土
  • 発芽するまで明るい日陰で乾かないように水遣りをして管理。


南天の種まきの時期

南天種まきの時期は、秋から冬に種まきする「採りまき」と、暖かくなった春に種まきする2つの時期があります南天種まきを採取して、すぐに種まきをすることにしました。

南天は一定期間の低温状態を必要とする「低温要求発芽種子」です

屋外で冬の寒さに当てるか、冷蔵庫で低温状態にすることで発芽率がよくなります。休眠打破と呼ばれるものです。は休眠状態ですので、一度低温にすることで目覚めさせ、発芽できるようにします。


秋から冬の採りまき

涼しくなった秋から冬の「採りまき」は、を保管する必要がなく、自然の環境に近いです。デメリットは、暖かくなる春に発芽するまでの期間が長くなりますので、長期間、乾かないように水遣りをして管理する必要があります

南天が熟して柔らかくなった頃に、を採取してを取り出して、種まきをします。


暖かくなった春にまく

を保管して、発芽する気温になる春に種まきする方法は、が完全に乾燥しないように、湿ったキッチンペーパーなどに包み、保管しなければなりません。

は、一度、寒さに当たることで休眠打破して、発芽しますので、冷蔵庫などで保管する必要があります。

冷蔵庫で乾燥させることなく保管することは難しく、デメリットになります。種まき後は2~3週間ぐらいで発芽しますので、管理が簡単なことがメリットです。


南天の実から種を取り出す

枝からナンテンの実を採取する
南天の枝からを採取します。は小さいですので、鉢受け皿などの容器の中で作業すると、がこぼれることがありません。


南天の実は小さい
南天は、小さいですので、ピンセットを使うとよいです。


ナンテンの実から種を取り出す
2つのピンセットを使って、南天からを取り出しました。果実はほとんどなく、より一回り小さながありました。

南天は、鳥が食べることがありますが、果実がほとんどないでも食べなければならないほど、冬は食べるものがないようです。


南天の種の大きさは直径5ミリ
南天の大きさは直径5ミリぐらいです。


南天の実をビニール袋に入れて種を取り出す
ピンセットで1つずつ、南天からを取り出すことは大変ですので、ビニール袋を使ってからを取り出します


ビニール袋を使うことで手が汚れない
まだ完熟していない赤いをビニール袋に入れます。ビニール袋に入れることで、手が汚れる心配がなくなります

を潰したときに、が飛んで紛失することもありませんので、おすすめの方法です。


ビニール袋の外側から指で実を潰す
ビニール袋の外側から手で潰します。指で強くつまむとからがでます。


潰れた実から種を分ける
潰したをビニール袋から出して、ピンセットでだけを分けます。


南天の実から種を取り出すことができた
南天からを取り出すことができました。


完熟して黒くなった南天の実
赤色でなく黒くなった。完熟した南天になります。

完熟していない赤いの種と完熟した黒いで、の発芽率に違いがあるか?興味があるので、分けることにしました。


黒い実をビニール袋に入れる
完熟した黒いをビニール袋に入れます。


南天の黒い実は乾燥している
ビニール袋の外側から手で潰します。黒いは乾燥しているので、簡単にが崩れます。


南天の黒い実は果実がない
完熟した黒い果実が乾燥してなくなっていますので、簡単にを取り出すことができました。


南天の種の準備

南天の種を水につける
から取り出した南天水につけます種まきする前にを1日ぐらい、常温の水に浸けるにたっぷり水分を含ませて、発芽しやすい状態にします。

手前の白くてキレイなが赤いから取り出した。奥のは完熟した黒いから取り出したになります。

果実には、発芽を抑制する成分が含まれていますので、キレイに取り除きます。


水に沈む種は発芽しやすい
南天(ナンテン)の1日、水につけました

発芽率をよくするためには、南天を1日ぐらい、水に浸けるとよいです。長期間、を水に浸けると酸欠状態になりますので、注意して下さい。小さなですので、1日、水につければ十分です。

水に沈む発芽しやすいので、常温の水につけることで、種に水を含ませる種まきの準備との選別の2つの作業が同時にできます



南天の種まきの種床

南天の種まきの種床
をまくための用土を入れた鉢などの容器のことを「種床」や「苗床」と呼びます。用土を入れることができれば、どのような容器でも大丈夫です。

南天は多くありませんので、容器は駄温鉢にしました。


南天の種床の容器

南天の種床は駄温鉢
直径9センチの3号の駄温鉢南天種床容器に使います。発芽した後も、しばらく育てますので栽培に適した駄温鉢を使います。


鉢の高さは8センチ
駄温鉢の高さは8センチぐらい。



南天の種まきの用土

駄温鉢に鉢底ネットを設置
南天種まき用土赤玉土の小粒を使います

駄温鉢
は底に大きな穴がありますので排水性(水はけ)がよいです。小さな赤玉土の小粒は穴からこぼれますので、鉢底ネットを設置します。


駄温鉢の底に鉢底石を敷く
駄温鉢の底には、鉢底石を1センチぐらい敷きます。


鉢底石の上に赤玉土の小粒を入れる
鉢底石の上に、南天種まき用土である赤玉土の小粒を入れます。

種まきをして、発芽後、しばらくの間、苗を栽培するだけですので、ホームセンターなどで販売されている安い赤玉土でよいです。


駄温鉢の高さの7分目まで用土を入れる
駄温鉢の高さの7分目ぐらいまで用土を入れて種床の準備ができました。



南天の種まき

南天種床の準備ができましたので、種まきをします。

種まきの採取や種床の準備が大切ですの数が多い場合は時間がかかり、根気がいる作業になります。


種床に種をまく

種床に南天の種を並べる
準備した種床南天種まきをします。ピンセットを使って、の位置が均等になるように並べました。


種を円形に並べる
赤いから取り出したキレイなを円形に並べました。

中心付近に完熟した黒いから取り出したを置き、南天発芽率の違いを確認できるようにしました。


南天の種まきは覆土をする
南天種まき覆土(ふくど)をします。の大きさが5ミリでしたので、覆土の厚さはの厚さの2~3倍が適切ですので1センチぐらい覆土をします。

覆土(ふくど)は種まきをした後にの上にかぶせる用土のことです。

覆土をすることで、が鳥などから食べられることがないように保護して、水分や湿度などの環境を発芽しやすい状態に維持することができます

プリムラなどの一部の植物は、光が当たることで発芽する好光性種子(こうこうせいしゅし)ですので、覆土をしません。


南天の種まきができました
南天種まきができました。


種まきをした後は水遣り

南天の種まきをした後は水遣りをする
南天種まきをした後は、すぐに水遣りをして用土に水を与えます。

を水に浸け、水分を含ませました。乾燥している用土に水分を取られることを防ぐために、種まきをした後はすぐに水遣りをします

用土赤玉土を使うと粒の表面にとても小さな微塵がついていますので、鉢の底から茶色の濁った水が流れ出ます。

微塵は水はけ(排水性)と通気性を悪くしますので、鉢の底からキレイな透明な水が流れるまで、水遣りをします



南天の種まき後の管理

南天の種まきをした後は明るい日陰で管理
南天種まきをした後は、直射日光が当たらない明るい日陰、風通しのよい環境で管理します

発芽に必要な環境は、3つの要素があります。「水分」「酸素」「温度」です。

「水分」は用土の表面が少し乾いたら、たっぷり水遣りをします。完全に乾かないように注意が必要です。

水遣りができない日は、鉢受け皿に水を入れて管理するとよいです。長期間(3日以上)、鉢受け皿に水を入れた状態にすると過湿でが腐れることがありますので、気をつけて下さい。

「酸素」は通気性のことになります。用土に粒状の赤玉土を使っていますので、水分が適切であれば、赤玉土の粒と粒の隙間に空気がありますので、に酸素を供給できます。

「温度」は発芽に適した温度である15~20度と、を一度、低温に当てる休眠打破の2つがあります。

冬に屋外で管理すれば、休眠打破することができます。冬は乾燥して、風が強く吹きますので、寒い日でも用土が乾き、水遣りが難しい季節です。用土が完全に乾かないように管理します。

暖かくなる春に発芽に適した温度になりますので、屋外で管理します。


南天の種まきの今後

南天(ナンテン)の種まき(実生)を、本格的に寒くなる前の12月12日にしました。九州地方の福岡県の平野部で栽培していますので温暖な気候です。12月になり、朝晩は冷え込むようになりました。寒いですが風が強く吹くと用土が乾きますので注意が必要です。

を採取して、すぐに種まきをする「採りまき」です。を保管する必要がありませんが、発芽するまで、長期間、種床を乾燥させないように、水遣りをして管理する必要があります。

南天(ナンテン)の発芽して苗木になるまでの様子はこの記事を更新します


更新しました

南天の発芽

南天の種から発芽した苗木
5月31日、撮影。南天種まきは成功ですから発芽した苗木が9つあります。円形に並べたキレイなから発芽した苗木が多いです。

南天種まきは赤いから取り出したキレイな発芽率がよいことが分かりました。キレイなは26個ぐらいありましたので、南天種まき発芽率は35%ぐらいです


南天の発芽した苗木が紅葉している
12月4日、撮影。九州地方の福岡県も12月になり、朝晩は冷え込みようになりました。春にから発芽した南天の小さな苗木が美しい赤色に紅葉しています

もう少し成長してから、キレイな陶器の鉢に植え替えをして南天ミニ盆栽を作る予定です。



南天の種まきのまとめ

南天種まきのポイント
  • 種まきの時期は、秋から冬に「採りまき」、または春。
  • を低温状態にして休眠打破させる。
  • を水につけて、水分をたっぷり含ませる。
  • 種床は、どのような容器でもよく、普通の鉢が簡単。
  • 種まき用土は赤玉土、または、種まき専用の用土
  • 発芽するまで明るい日陰で乾かないように水遣りをして管理。
南天種まきに特別な方法はありません。用土が乾かないように、日々、管理することが大切です。

南天種まき発根率は35%ぐらいであることが分かりましたので、参考にして下さい。


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