長寿梅の挿し木を成功させるポイント:剪定した枝を挿し穂に使い、ミニ盆栽の素材を作る


長寿梅 挿し木
小さな花が美しい長寿梅(チョウジュバイ)。

6月頃の梅雨に剪定をして、剪定した枝を挿し穂に使い、挿し木をします。

梅雨は、雨の日が多く、湿度が高いですので、挿し木に最適な時期になります

長寿梅は、小さな樹でもが咲きますので、挿し木してミニ盆栽の素材を作ることが簡単です。 


長寿梅の剪定

長寿梅 剪定
3.5号(直径10.5センチ)の浅型の駄温鉢に植えている長寿梅(チョウジュバイ)

樹高は20センチ以下ですので、大きくはないですが、コンパクトにするために剪定をします。




先端の枝
剪定は、不要な枝をハサミで切るだけですので、難しいことはありません。

長く伸びた先端の枝を根元で剪定しました。

枝 増やす
枝を減らすときは、根元で切ります。

枝を増やしたいときは、1~2芽残して切ると、残した芽から芽吹き、新しい枝ができます。

平行
上下に平行に伸びている枝は、どちらかを剪定します。

下の枝を剪定するほうが、切り口が目立たないですので、おすすめです。

下の枝
枝の剪定は、根元でキレイに切る方法少しだけ残す方法の2つがあります。

少しだけ残す方法は、残した部分が完全に枯れてから、幹に沿ってキレイに切ります。

1~2年後に、完全に枯れていますので、切り口が目立たなくなるメリットがあります。

剪定後
下の方にあった長く伸びた枝も剪定して、スッキリしました。

長寿梅は芽吹きがよい樹ですので、剪定に失敗しても2~3年後には、復活できます。

剪定した枝 水
剪定した枝は、挿し木挿し穂に使いますので、水につけて乾かないようにします


水揚げして挿し穂を作る

水揚げ
長寿梅剪定した枝は、2時間くらい水につけて水揚げをします

根からの水の供給がなくなりましたので、枝は乾きやすい状態です。水をたっぷり含ませて、すぐに萎れないようにする必要があります。

水揚げの時間は、30分以上、2時間くらい、一晩など意見が分かれます。

枝の状態や剪定した季節や時刻によって、枝が含んでいる水の量が異なりますので、いろいろな意見があります。

朝に剪定すれば、水を多く含んでいますので、短い時間の水揚げで十分ですが、夕方は乾いていますので、状態によっては、一晩、水揚げしたほうがよいこともあります。

水揚げの時間は、2時間くらいが基本になります。

根元 葉
剪定した枝を挿し穂にするために、根元の葉をハサミで切ります

用土に埋まる部分ですので、葉は必要ありません。

葉 4枚
先端の4枚くらいの葉を残して、下の方の葉を取り除きました。

葉を手で取ると、樹皮が傷つくことがありますので、ハサミで切ることをおすすめします。

挿し穂 6本
6本の剪定した枝の葉を取り除き、挿し穂ができました。

一番右の枝だけが、春に芽吹いて伸びた枝になります。

今シーズンに伸びた枝を挿し穂に使う挿し木は、「緑枝挿し」と呼ばれます。枝が細いときは、緑色をしていますが、成長して茶色になったばかりの枝です。

残りの5本は前年に伸びた枝になりますので、「古枝挿し」になります。

「緑枝挿し」は成長が活発で発根率がよいと考えられます。「古枝挿し」は成功すれば、すぐにミニ盆栽の素材になるメリットがあります。

大きな挿し穂
大きな挿し穂は、長さが5センチぐらいです。

小さい挿し穂
小さい挿し穂は、3センチありません。

挿し穂の大きさによって、挿し木の成功率(発根率)に違いがあるか?確認します。


水切りで挿し穂の切り口を作る

切り口
挿し穂の一番下をよく切れる刃物でキレイに切り切り口を作ります。

切り口から水を吸収しますので、挿し木の成功に大きく影響する作業です。

よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。

水切り
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします

枝にある水が通る管の道管は、とても細く、空気が入ると水の通りが悪くなります

道管に空気が入ることを防ぐために、水の中で切る水切りをします。

花屋さんなども、切り花を作るときに、花もちをよくするために水切りをしますので、効果がある作業です。

切り口は、水を吸収する断面積が大きくなるように、斜めやクサビ形にします。

ケガ
6本の挿し穂、すべてに切り口を作りました。

短い挿し穂は、刃物を使いますので、ケガに注意して切りましょう


発根促進剤ルートンを塗る

発根促進剤ルートン
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン

ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、挿し木に使うことをおすすめします。

たくさん挿し木取り木をしていますが、なかなか減りません。一番小さな20グラム入りですが、すべてを使う前に使用期限が過ぎそうです

発根促進剤ルートンは使用期限がありますので、容量の小さなものがよいです。

粉末タイプ
発根促進剤ルートンは粉末タイプの薬剤になります。

使い方は、水に溶かして挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして挿し穂に塗ったりします。

挿し穂 水
簡単な使い方は、粉末のまま挿し穂に付着させる方法です。

挿し穂水揚げ水に濡れていますので、発根促進剤ルートンに接するだけで、付着します。

切り口付近
挿し穂の切り口付近に、発根促進剤ルートンを付着させました。

すべての挿し穂
6本のすべての挿し穂に、発根促進剤ルートンを付着させました。

挿し穂の準備ができました。


長寿梅の挿し床

挿し床
挿し木で、用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。

梅雨時期に挿し木をすると、鉢上げは翌シーズンの春になりますので、挿し床は植木鉢などがよいです。

100均の小さな素焼き鉢を使いました。乾きが少し早いですが、通気性がありますので、挿し木に適しています。

鉢底石
排水性(水はけ)をよくするために、鉢底石を敷きます。

挿し木 用土
挿し木に適した用土は、赤玉土や鹿沼土の小粒です

試しに購入した焼成赤土の細粒が大量に在庫としてあるので、使いました。赤玉土とほぼ同じような性質になります。

3分目
鉢の高さの3分目くらいまで用土を入れて、挿し床の準備ができました。


挿し穂を挿し床に挿す

挿し穂 挿す
挿し木は、挿し穂挿し床に挿しますが、小さい挿し穂は、挿すことが難しいですので、簡単な方法を紹介します。

3分目くらいまで用土を入れた挿し床に、挿し穂を並べて置きます。

用土 足す
上から用土を足します。

用土 竹串
竹串などで、用土をキレイにして挿し木の完成です。

小さい挿し穂を手で持って、キレイに挿すことが難しく、切り口を傷つけないように穴を作ることも大変です。

短い挿し穂
最初に並べた3本は、長い挿し穂になります。

用土を半分くらいまで足した後に、短い挿し穂を並べます。

さらに 足す
さらに、用土を足して、鉢の8分目くらいまで入れます。

長寿梅の挿し木 完成
長寿梅挿し木が完成しました。

先端の葉だけを出して、挿し穂の大部分を用土に埋めると乾きにくく、枯れることを防ぐことができます


長寿梅の挿し木の管理

水遣り
挿し木をした後は、すぐに水遣りをします。

挿し穂を動かさないように、水の中に挿し床である素焼き鉢を入れて、底面給水で水遣りをします。

湿った状態
挿し木の管理は、乾燥を防ぐため、水の中に素焼き鉢を入れた腰水の状態で管理すると安心できます。

腰水は、水切れすることがないメリットがあります。

いつも腰水をしていますので、の成長に必要な空気が供給されませんので、涼しい日や夜間は、水から出して管理します。

長寿梅挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します

挿し木は、挿し穂を挿す作業より、挿し木した後の管理の方が大切です。


長寿梅の挿し木の今後

今後
6月21日に、長寿梅挿し木をしました。

梅雨の時期ですので、雨の日は乾く心配がなく、管理が簡単です。

長寿梅挿し木の今後の様子は、この記事を更新します

梅雨が明ける前までに発根、暑い夏の管理、涼しくなった秋の成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。

鉢上げした長寿梅を素材にして、ミニ盆栽を作ります。


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