ウォータークローバーの育て方:メダカのビオトープに小さい水草をレイアウト



ウォータークローバー

ウォータークローバー

ウォータークローバーは、4つ葉のデンジソウ科の抽水植物。草丈5~15センチと小さい水草です。

抽水性の水草ですので株元が水の中に沈むようにして、半日以上は日が当たる場所で管理します。土(用土)は赤玉土、田んぼの土、荒木田土などが適しています。

肥料は暖かい4月から9月に1~2か月に1度、緩効性の化成肥料や発酵済み油粕を与えます。

耐寒性は強くなく、冬は水上葉は枯れます。土の中の茎(ランナー)は、水や土が凍らない限り枯れないので暖かくなると復活します。冬も緑を楽しむなら暖かい場所や室内で保護するとよいです。


ウォータークローバーの種類

ウォータークローバーは品種があり、それぞれ特徴が異なります。日本で購入できる品種は主に4つあり、品種名が前後についています。
  • ウォータークローバー ムチカ
  • ウォータークローバー ヨーロピアン
  • クレナタ ウォータークローバー
  • フィリピン(ベトナム)ウォータークローバー
ムチカが一般的なウォータークローバーです。名前がウォータークローバーだけ表示されているものはムチカになります。オーストラリア原産の抽水性の水草、水の中で栽培できる4つ葉のクローバーです

ヨーロピアンは、よく販売されているムチカと葉の形がほぼ同じですが、大きさが1/3から半分くらいと小型の品種です。水上葉は4つ葉のクローバーになりますが、水中葉はスプーンのような形になります。

クレナタは常緑で九州南端、琉球列島、アジアの熱帯地域に分布します。ヨーロピアンに似た品種で、水上葉はヨーロピアンよりも小型。水中葉はヨーロピアンと同じスプーンのような形状です。

フィリピン(ベトナム)は東南アジアに分布する水上葉と水中葉の両方が4つ葉のシダ植物です。水上葉は四つの葉が四方に均等に開いていますが、水中葉は片方に寄る特徴があります。密生することがなく、草丈が20センチぐらいまで大きくなる品種です

ウォータークローバー・ヨーロピアン

原産地はオーストラリアです。ヨーロッパ経由で日本に輸入されたことから、ヨーロピアンになったようです。

水上葉は、一般的なクローバーと同じ形の葉で、すべてが4枚葉になります。特徴は葉が就眠運動することです。朝と晩に葉を開閉させる運動をするので、夜間や早朝に葉が閉じた状態になります。

水中葉は、葉の大きさが5ミリぐらい、草丈1~2センチと非常に小さくなります。葉の形状が水上葉と異なり、スプーンのような形の1枚葉(単葉)です

メダカのビオトープにレイアウト

メダカを屋外のビオトープで飼育しています。メダカの品種や生まれた年で飼育容器を分けて飼育することが多く、飼育容器はNVボックス#13をよく使います。

NVボックス#13は縦28.7×横43.5×深さ14.5センチの大きさで、13リットルの飼育水を入れることができ、10匹ぐらいのメダカを飼育できます。価格が安く、メダカの飼育に最適な飼育容器です

水草をレイアウトして美しいビオトープでメダカの飼育を楽しみたいので、NVボックス#13の大きさに適した小さな水草であるウォータークローバー・ヨーロピアンを購入しました

購入したウォータークローバー・ヨーロピアンの苗をメダカのビオトープにレイアウトするためのポイントを詳しく説明します。

ウォータークローバーの株分け

2号 ビニールポット
ウォータークローバー・ヨーロピアンは2号(直径6センチ)のビニールポットに植えてあります。葉がたくさんあり、状態は良いです。一回り大きな3号(直径9センチ)の鉢に植え替えて、メダカのビオトープにレイアウトするとよいです

たくさんのビオトープでメダカを飼育しているので、ウォータークローバーを株分けして増やします。ヨーロピアンの特徴である形の異なる水上葉水中葉の両方を楽しむためにも株分けします

株分けは、葉が鉢一杯に増えるまで時間が必要になりますが、水草の栽培において大きなメリットがあります。

水草は水質や環境の影響で枯れることがありますが、2つの鉢に分けて栽培することで枯れることを防ぎます。2つ同時に枯れることは非常に少ないです。

越冬などにチャレンジする場合、もう1つの鉢は室内などで保護すれば安心でき、失敗しても再度、購入する必要がありません

ウォータークローバーはアクアリウムの水槽でよく栽培されています。育て方が簡単で初心者向きですが、屋外のビオトープ日当たりなどの環境が大きく異なりますので枯れないように注意が必要です

株分けのために鉢を準備

プラスチック製の鉢
ウォータークローバーの苗を2つの鉢に株分けします。黒色のプラスチック製の鉢に植え付けます。

プレステラ
アップルウェアー(株)のプレステラは日本製で安く、10個セットで200円ぐらいで販売されていますので、水草の株分けに最適です

3号
プレステラ105型は、9センチ角で3号ぐらいの大きさです。

深さ
深さは8センチぐらいです。NVボックス#13は深さが14.5センチあるので、水中葉としてレイアウトするために最適な鉢です水上葉なら3センチぐらい底上げが必要になります。

メダカのビオトープに水草をレイアウトする場合は、水草を鉢に植えます。水草の手入れや水換えのときに、簡単に取り出すことができて便利です。ビオトープの水の深さを確認して覚えておくと鉢の高さの参考になります

赤玉土
ウォータークローバーの土は赤玉土の小粒を使います。赤玉土はメダカのビオトープに底床として使用していますので水質に影響がなく、ホームセンターや園芸店で安く購入できるメリットがあります。

田んぼの土荒木田土のほうが成長がよいですがコケが発生しやすいですので、メダカのビオトープにはお勧めできません。

土入れ
土入れを使って赤玉土の小粒を鉢に入れます。鉢の大きさが3号(直径9センチ)以下になると土入れが便利です。100均で大と小の2個セットで販売されていますので、おすすめです。

8分目
鉢の8分目ぐらいまで土を入れます。プレステラは段差がありますのでわかりやすいです。

微塵
土を入れた鉢に水で赤玉土の表面に付着している微塵を流します。微塵は非常に小さな土の粉です。水で流すと底から泥水が流れます。水が透明になるまでキレイに流しましょう。

水中
ウォータークローバーは水中で植え付けをするので、鉢を水の中に沈めます。微塵をキレイに流すと水が濁ることがありません。

ウォータークローバーの苗の準備

竹串 ピンセット
ウォータークローバーの苗をビニールポットから取り出して、植え付ける準備をします。土で回りを汚さないように大きな鉢受け皿の中で作業します。道具は竹串ピンセットです。

ビニールポット
苗を横向きに置き、ビニールポットの底を押すと簡単に取り出すことができます。

根
ウォータークローバーは小さな水草ですので根も非常に細く、土を崩そうとすると切れることがよくあります

水の中
水の中でゆっくり土を崩すとよいです。

分ける
株分けして2つの鉢に植え付けるので、苗を分けます。ランナー(地下茎)でつながっていますので無理に力で引っ張らず、ランナーを切って分けます

細かい作業
細かい作業で時間が掛かります。

苗の準備
無理して小さく分ける必要はありません。分けることができる範囲で大丈夫です。根とランナー(地下茎)を傷つけないように注意します。葉は枯れることがよくあります。根とランナーが残っていれば、新しい葉が芽吹きます。

ウォータークローバーの苗の準備ができました。根が乾燥しないように水を入れた容器を用意しましょう。

ウォータークローバーの植え付け

ピンセット
ピンセットで分けた苗の根元をつかみます。

水の中
水の中の赤玉土に埋め込みます。田植えのような感じです。水の中で作業することで赤玉土が動きやすくなり、粒が崩れることがありません。

深く
苗が浮かばないように深く埋め込みます。

植え付け
ウォータークローバーの植え付けが終わりました。2号(直径6センチ)のビニールポットに一杯だった苗も3号(9センチ角)の鉢では間隔があります。鉢一杯に葉が増えるように栽培します。

ウォータークローバーの育て方

6月3日
ウォータークローバーの株分けは5月24日に作業をしました。植え付け後は1週間ぐらいは直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。その後は半日(できれば午前中)に日が当たる場所で様子を見ましょう。

6月3日に撮影したウォータークローバー。少し葉が増えました。2つの鉢の両方を水上葉で栽培しています。

1つを水上葉、もう一つを水中葉で栽培する計画でしたが、水上葉のほうが成長がよいので葉が鉢一杯になるまで水上葉で栽培します

完全に水に沈めて栽培する水中葉は、水中の二酸化炭素が少ない場合、成長が悪くなります

アクアリウムの水槽なら二酸化炭素を添加することができますが、屋外のビオトープは難しいですので成長が遅く、時間が掛かります。

6月10日
6月10日ウォータークローバー。最初の葉が枯れて新しい葉が増えました。1週間前と比べると葉の量は同じくらいです。

根
鉢を水の中から取り出すと、が鉢の外まで伸びていることが確認できました。根が成長していますのでウォータークローバー株分けは成功です。葉が増えるまで大切に育てます。

水草の鉢を水の中から取り出すと、土の隙間の水が入れ替わるので、水草の成長によいです。水も1週間に1回、交換しています。

7月7日 梅雨入り
7月7日撮影。順調に葉が増えていたウォータークローバーでしたが、6月10日頃からの梅雨入りの影響で葉が減っています。根元にコケが発生して、栽培環境が悪いです。

屋外に置いているので、雨が降ると水が増えて葉が完全に水の中にあり、水中葉の状態です。水上葉から水中葉に環境を変えると、葉が枯れることがあります


7月13日 枯れた葉
7月13日撮影。ウォータークローバーに枯れた葉が増えました。7月の後半には梅雨明けしますので、もう少しの辛抱です。新しい葉が芽吹いていますので、根の状態は悪くないです

7月20日
7月20日撮影。梅雨はまだ明けていませんが、雨水で水が増えないように屋根がある場所に移動しました。1週間しか経過していませんが、葉が確実に増えています

7月28日 梅雨明け
7月28日撮影。2020年は梅雨が長く、九州北部の福岡県は7月30日頃に梅雨明けしました。水上葉で栽培することでウォータークローバーは葉が増えて、順調です。

もう少し葉が増えれば、メダカビオトープにレイアウトできる状態になります。ビオトープではメダカの排せつ物が肥料になり、成長がよくなると考えています

ウォータークローバーの就眠運動

ウォータークローバー 就眠運動
ウォータークローバー就眠運動する水草です。

就眠運動とは、日が暮れて暗くなると葉が閉じて、日が昇り明るくなると葉が開くことです

夜が明けて、明るくなる前の早朝にウォータークローバーを観察すると、葉が少ないように感じます。

就眠運動
日が昇り明るくなると、閉じていた葉が開きます。花が咲くような感じです。

早朝に葉が開くウォータークローバーを観察すると、植物の生命力を感じることができます。

植物が就眠運動をする理由について、いろいろな考えがあります。

明るい昼間に葉が開いていると、日光をたくさん浴びることができ、光合成を効率よく行えます

暗い夜間に葉が開いていても光合成のメリットはなく、昆虫などの葉を食べる動物のターゲットになりやすいです


今後の栽培の様子はこの記事を更新します。

葉が鉢一杯になり、NVボックス#13のメダカのビオトープにレイアウトする予定です。ウォータークローバーの屋外での育て方の参考になるように、秋の様子や屋外での越冬にチャレンジします。

福岡県は温暖な気候ですので、水中葉なら緑のままで越冬できる可能性があると考えています。冬のビオトープは緑が少なく、寂しいですので緑が少しでも増えるとありがたいです。

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