レースラベンダーの育て方:細かい切れ込みのある美しい葉と穂状の花を楽しむ


 
レースラベンダー
レースラベンダーは、シソ科ラヴァンドラ属の常緑性低木です。カナリア諸島やマディラ諸島などの地中海沿岸が原産地になります。

学名は、Lavandula pinnataで、ファーンリーフ ラベンダーやラベンダー ピナータと呼ばれることがあります。

レースラベンダーの大きな特徴は、細かい切れ込みがレースのように見えるです。名前の由来にもなります。

は、細かい柔毛が密集していますので、銀色に見えます。

ラベンダーは、ハーブの一種でよい香りがしますが、レースラベンダーは、を観賞するために改良された園芸品種ですので、ラベンダーの香りではなく、ペパーミントやレモンのような爽やかな香りです。

四季咲きの性質がありますので、4月~7月と9月~10月にが咲きます



レースラベンダーの苗木

レースラベンダー 花
レースラベンダーの苗のラベルで、の色や形を確認して購入しましょう。

ラベルの写真でを確認すると。紫色で、花序は小さなが穂状に集まり、穂状花序にを咲かせます

ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。

植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。


ラベルの裏
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。


レース状の葉と爽やかな香りが特徴のラベンダーです。

涼しげなライトブルーのお花を春と秋に咲かせます。

蒸れを嫌うので梅雨時期は軒下で育ててください。

冬は0度以上で越冬します。








樹高
レースラベンダーの苗木の樹高は、20センチ以上あります。花茎が長く伸びていますので、大きいです。


葉
が茂っている部分までは、15センチ以下になります


ビニールポット
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。


小さな花
レースラベンダーのは、小さなが集まって穂状になっています。1つ1つの小さなは唇形で上唇は2裂して下唇は3裂です。

が咲き始めている苗木です。


つぼみ
つぼみがたくさんあります。


苗木
苗木を選ぶときは、の状態をよく観察します。厚みがあり、元気なの苗木を選びます。

が咲いているものより、つぼみがたくさんあるもののほうが、を長く楽しめます。


イングリッシュラベンダー
左の鉢は、イングリッシュラベンダーです。小さい品種の長崎ラベンダー「リトルマミー」ですので、コンパクトな樹形です。


新芽
新芽が伸び始めています。の形がレースラベンダーと異なります。

長崎ラベンダー「リトルマミー」の育て方について、詳しく書いた記事があります。参考にして下さい。
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レースラベンダーの小さな鉢植え

小さな鉢植え
レースラベンダーは耐寒性が強くないです。最低気温が0度以下になる場合は、保護が必要になります

耐暑性は強いですが、多湿を嫌いますので、梅雨時期など長雨に当たらないように管理する必要があります

小さな鉢植えは、簡単に移動でき、置くスペースが小さいですので、寒い冬や梅雨時期の管理しやすいです。


雰囲気
苗木をビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、植え付け植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。


スリット鉢
レースラベンダーの鉢は、スリット鉢を使います。

スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。

スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。

MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます

根詰りすることがなく、レースラベンダーを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。


3.5号
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。

スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。

ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。


スリット
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。

八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。


ウォータースペース
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。

段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。

植物の成長によいスリット鉢を使うことで、レースラベンダー小さな鉢植えで育てることができます。


直径
鉢の直径は10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります


鉢の高さ
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。

雨が続く梅雨時期と霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、レースラベンダー最適な環境で育てることができます


デメリット
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。


鉢カバー
100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。



レースラベンダーの用土

レースラベンダー 用土
レースラベンダーは多湿を嫌いますので、水はけ・通気性がよいアルカリ性の用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で大丈夫です

用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土パーライト5:3:2の割合で配合します。

パーライトの代わりに軽石を使いました。


均一
赤玉土の小粒と腐葉土軽石が均一になるように混ぜます。


鉢底石
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。

レースラベンダーは多湿を嫌いますので、蒸れを防ぐために鉢底石を敷くことをおすすめします。


土入れ
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。

園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。


3分目
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。

植え付け・植え替えは、が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。


酸性
レースラベンダーは、地中海沿岸が自生地ですので、酸性の土壌をやや嫌います

日本の土壌は酸性ですので、有機石灰や苦土石灰を使って、中和するとよいです。


有機石灰
有機石灰は、効果がゆっくりですが、植え付け植え替えをするときに、混ぜることができますので、簡単に使えます。

苦土石灰は、植え付け植え替えをする10日前ぐらいに混ぜてから使用します。


100均のマドラースプーンに1杯ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、3グラムになります。

説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。

鉢は3.5号ですので、直径10.5センチになりますので、面積は0.0525×0.0525×3.14=0.008654…となり、およそ0.009㎡。

1.5グラムぐらいが適量になります。量が多いですが、強いアルカリ性になることはありませんので、大丈夫です。


用土 中和
有機石灰で、用土を中和します。



レースラベンダーの肥料

レースラベンダー 肥料
レースラベンダーは、植え付け植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として施します。

元肥は、苗木を植え付け植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。


リン酸
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めのが咲く植物用の肥料です。

5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。

強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。

数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。


説明書
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。


少量の肥料
100均のマドラースプーンに半分ぐらいの1.5グラム、少量の肥料元肥として用土に混ぜます

肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。

肥料は少なく与えて、が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。

レースラベンダーが咲く期間が長いですので、春と秋に肥料を与えます。緩効性化成肥料を月に1回、置き肥、または、月に3回ぐらい、液体肥料を与えます。


元肥
肥料用土を軽く混ぜて、元肥を施しました。



レースラベンダーの植え付け・植え替え

植え付け 植え替え
レースラベンダーの苗木を、鉢に植え付け植え替えをします。

必要な道具は、ハサミピンセット竹串です。

鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。

鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け植え替え用に購入するとよいです。

レースラベンダー植え付け植え替えに適した時期は、春の3月~5月になります



ビニールポットから取り出す

底 確認
最初に、ビニールポットの底を確認します

底の穴からがたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。

無理に取り出しますと、が切れますので、穴から伸びたはハサミで切ります。


横向き
レースラベンダーの苗木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。


底の角
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。

手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。


取り出す
レースラベンダーの苗をビニールポットから取り出すことができました。



レースラベンダーの根鉢

レースラベンダー 根鉢
レースラベンダーの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。

根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、と土が固まって見えている状態のことです。


サークリング現象
レースラベンダー根鉢を観察すると、の量は普通で、底でが巻くサークリング現象があります


三分の一
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け植え替えすることが基本です。



根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備

表面の土
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります

植え付け植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。


竹串 根鉢
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。

根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。

も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。

鉢に植え付け植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう


根元の葉
根元のは、日当たりが悪く、黄色に変色していますので、付け根をハサミで切り、取り除きます。


スッキリ
根元がスッキリしました。多湿を防ぐためにも、根元のは、早めに取り除くとよいです。


根鉢の底
根鉢の底は、水はけが悪く、根腐れしやすい場所になります。


根 取り除く
竹串で、土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。

黒色のは、腐れていますので、取り除きます。


根鉢の底 根
根鉢の底を崩して、固まったを取り除きました。


根鉢 準備
レースラベンダー根鉢を崩して、鉢に植え付け植え替えをする準備ができました。



鉢に植え付け・植え替えをする

鉢 入れる
根鉢を崩したレースラベンダー用土を入れて準備した鉢に入れます。


段差
スリット鉢段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します

高い場合は、用土を減らし、低い場合は用土を足します。少し低いですので、用土を足しました。


バランス
少し離れて見て、バランスよく植え付け植え替えできているか?確認します。


赤玉土
根鉢の周りに用土を入れます。根鉢用土が保水性が高いですので、赤玉土の小粒だけにしました。


隙間 赤玉土
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。


根鉢 通気性
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。


段差 用土
スリット鉢段差より少しだけ少なく用土を入れます。


軽石
仕上げに、表面の土は軽石にします。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。


散水ノズル
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。

雨や水遣りで土が跳ねて、に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。


小さな鉢植え 完成
レースラベンダー植え付け植え替えが終わり、小さな鉢植えが完成しました。



レースラベンダーの管理

水遣り
レースラベンダーの苗木を鉢に植え付け植え替えした後は、すぐに水遣りをします。

鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます

レースラベンダー水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。

に水がかからないように、水差しで水遣りをするとよいです。

春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。

が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れするとが傷みます

寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。

水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。

長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。


明るい日陰
植え付け植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します

が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。

レースラベンダーは、日当たりのよい場所で管理します。半日陰でも育ちますが、の数が少なくなります。

暑い夏は、日差しが強いですので、風通しの良い半日陰で管理します



支柱で支える

倒れる
植え付け植え替えをした後は、が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります

つぼみがたくさんあり、が咲きますので、倒れやすいです。


竹串 支柱
小さな鉢植えですので、竹串支柱として使うことができます。


2本 挟む
2本の竹串で挟むようにすると、しっかり固定できます。



雨よけ・霜よけで保護する

雨よけ 霜よけ
レースラベンダーは、耐寒性は0度までですので、積雪や霜から保護する必要があります

多湿を嫌いますので、梅雨時期などの長雨に当てないように管理します。

育苗トレーに100均のU字型支柱で作った簡易ビニールハウス。ビニールは100均のテーブルクロスです。

雨や霜からを保護できますので、花持ちがよくなります。

製作した様子を詳しく書いた記事があります。
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通気性
ビニールハウスのように密閉していないので、通気性があります。


開閉
開閉できますので、普段は風通しの良い環境になります。

レースラベンダーは、多湿を嫌いますので、雨よけがあると便利です。



レースラベンダーの育て方のポイント

  • 日当たり、風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
  • 耐寒性は0度と普通、積雪や霜から保護します。
  • 用土は普通の培養土、または、赤玉土と腐葉土、パーライトを5:3:2で配合。
  • 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
  • 肥料は元肥、春と秋に緩効性化成肥料を少量、与えます。
  • 植え付け植え替えは、3月~5月が適しています。

レースラベンダーは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。

鉢植え根詰りしないように、2~3年に1回、花が咲き始める前の3月~5月に、植え替えをします。

春のが咲き終わった5月下旬~6月に剪定をします。切り戻し間引きをすることで、風通しがよくなり、多湿を防ぎますので、夏越しが簡単になります。



レースラベンダーの今後

4月3日に、レースラベンダーの苗木を鉢に植え付け植え替えしました。

九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。

レースラベンダー今後の様子はこの記事を更新します

最初の目標は、美しいを咲かせることです。つぼみがたくさんありますので、が楽しみです。

1年間の育てる様子を記録します。




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