ヤブコウジ(十両)は、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑性低木です。日本や朝鮮半島、中国が原産地になります。
学名はArdisia japonicaで、十両(じゅうりょう)と呼ばれることがあります。冬に美しい実を楽しめる千両や万両、百両があることが由来の別名です。樹高の小さく、実が少ないことから十両と呼ばれます。
花が咲く時期は、夏の7月~8月頃で、白色やピンク色の小さな花が咲きますが、あまり目立ちませんので、観賞には適していません。
ヤブコウジ(十両)は、晩秋の寒くなり始める時期に、実が赤く色づき、寒い冬に美しい実を楽しむことができます。
正月の縁起物として飾りますので、ホームセンターや園芸店で冬の年末に販売されていることが多いです。
12月中旬に、園芸店で、ヤブコウジ(十両)の小さな苗木が値引き販売されていましたので、購入しました。
ヤブコウジ(十両)は、日があまり当たらない木陰などに自生していますので、購入後は、日陰で管理していました。
小さな苗木でしたが、暖かくなる春に新芽が伸びて、つぼみができていました。冬に美しい赤色の実を楽しむために、鉢に植え付け・植え替えをします。
ヤブコウジの苗木
ヤブコウジ(十両)の苗木の樹高は15センチぐらい。
ヤブコウジ(十両)は低木ですので、成長しても樹高が10センチ~30センチぐらいです。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
1辺が8センチの四角いビニールポットに植えられています。
購入した
ヤブコウジ(十両)の苗木は、3つの株があります。
株分けできれば、小さな
ミニ盆栽を作ります。
斑入りの葉が美しいヤブコウジ(十両)。明るい緑色の葉に、フチに白色の斑が入る覆輪タイプの葉になります。
斑入りのヤブコウジは、カラーリーフとして、寄せ植えで利用されることが多いです。
色や斑の入り方が異なる園芸品種がたくさんあります。江戸時代や明治時代などに、人気が高いときは、高額で取引されていました。
ヤブコウジ(十両)の
葉は、長楕円形で、小さい鋸歯があります。
葉の長さは、4センチぐらいです。
先端の今シーズンに芽吹いた葉は大きいですが、前年の葉は小さいです。
一番大きな
葉は、とても大きく、バランスが悪くなっています。
ヤブコウジ(十両)の苗木の選び方は、
葉に変色がなく、節の間隔が小さい、元気な苗木を選びましょう。
ヤブコウジの小さな鉢植え
ヤブコウジ(十両)は、樹高が30センチぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ヤブコウジ(十両)を小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ヤブコウジ(十両)を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ヤブコウジ(十両)を小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の4号の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
実が美しくなる時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
ヤブコウジ(十両)の立派な鉢植えになる予定です。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
ヤブコウジ(十両)のミニ盆栽の鉢の準備をします。
株分けできれば、つぼみのある株をキレイな鉢に植え付け・植え替えをして、ミニ盆栽を作ります。
用意した鉢の大きさは、直径6センチぐらいと2号のサイズです。
とても小さいですので、ベランダや玄関、室内など、好きな場所に飾ることができます。
鉢の高さは4.5センチぐらい。
浅い鉢は、暑さが厳しい夏に、水切れの心配がありますので、高さがある鉢がおすすめです。
100均の陶器に、穴を開けて、水が流れるように高台を削って作った鉢です。
100均の陶器に穴を開ける方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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ヤブコウジの用土
ヤブコウジ(十両)は、水はけがよく、通気性のある用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を3:1の割合で混ぜた用土が適しています。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで用土を入れて、ヤブコウジ(十両)の鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ヤブコウジの植え付け・植え替え
ヤブコウジ(十両)の苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ヤブコウジ(十両)の植え付け・植え替えに適した時期は、2月~4月頃と涼しくなった秋の9月~11月になります。
春の植え付け・植え替えは、成長期になりますので、根鉢を崩して大丈夫ですが、秋は、根鉢をあまり崩さないほうがよいです。
苗木を掃除してキレイにする
ヤブコウジ(十両)の苗木は、雑草がありますので、植え付け・植え替えをする前に、ピンセットで取り除いてキレイにします
苗木は植え付け・植え替えをする前に、掃除してキレイな状態にするとよいです。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ヤブコウジ(十両)の苗木を鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ヤブコウジ(十両)の苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ヤブコウジの根鉢
ヤブコウジ(十両)の苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根が多いです。白い根は新しく、黒色の根は腐敗しています。
底で長く伸びている根があり、鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。長く伸びた根を切る必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
秋の植え付け・植え替えは、結実した実がありますので、根鉢をあまり崩さないほうがよいです。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根元がキレイな状態になりました。
根元が見えるまで、表面の土を取り除くと、根鉢の高さが小さくなりましたので、底は軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、
根が巻くサークリング現象で、
根の塊になっています。このままの状態で
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、崩します。
根鉢の底の
根を崩しました。長く伸びた
根がたくさんあります。
長く伸びた根は不要ですので、ハサミで短く切ります。
根を切ると、枯れることが心配になりますが、水を吸収している根は、先端の細い根だけですので、大丈夫です。
鉢の底の根がなくなり、根鉢がスッキリしました。
ヤブコウジの株分け
ヤブコウジ(十両)の苗木は、3つの株があります。
株分けをして、1株ずつ鉢に植え付け・植え替えをしたほうが、成長がよく、管理もしやすいです。
枯れることがありますので、株分けして、3つの鉢になると、予備の株になります。
竹串を使って、根を傷つけないように、根鉢を分けます。
絡まった根を竹串で、ほぐしながら、3つに株分けします。
根の量が多く、大変でしたが、ヤブコウジ(十両)を株分けすることができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して株分けした
ヤブコウジ(十両)を
用土を入れて準備した鉢に入れます。
一番大きな株を直径9センチ(3号)のスリット鉢に、植え付け・植え替えをします。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢と鉢に隙間がありますので、
用土を入れます。一番大きな株には、
つぼみがありますので、環境が大きく変化しないように、苗木の土を入れました。
スリット鉢の段差より少し下まで用土を入れます。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ヤブコウジ(十両)の苗木を鉢に
植え付け・植え替えをすることができ、
小さな鉢植えが完成しました。
ヤブコウジの管理
ヤブコウジ(十両)の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ヤブコウジ(十両)の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
水の与え過ぎに注意が必要です。乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように、3~4日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
水遣りをすると、最初は鉢の底から茶色の泥水が流れます。赤玉土の表面に付着した微塵です。
微塵が鉢の中で固まると、水通り(排水性)が悪くなりますので、透明の水になるまで、たっぷり水遣りをします。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ヤブコウジ(十両)は、半日陰から日陰で育てます。春と秋は半日陰、日差しが強い夏は日陰、寒い冬は日が当たる場所で管理します。
小さな鉢植えは、移動が簡単ですので、よい環境で育てることができます。
耐寒性は普通ですので、鉢の土が凍らないように注意が必要です。寒さが厳しい地域は、冬は室内などで保護すると安心できます。小さな鉢植えですので、室内で管理しやすいです。
ヤブコウジのミニ盆栽
ヤブコウジ(十両)を3つの株に株分けできましたので、ミニ盆栽を作ります。
鉢の底に、水はけがよくなるように、赤玉土の小粒をゴロ土として、薄く敷きます。
鉢が小さいミニ盆栽は、水を含むことが出来ない鉢底石の代わりに、ゴロ土を使うことで、水切れを防ぎます。
ゴロ土の上に、赤玉土の極小粒(細粒)を用土として入れます。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付けのときに、株元の高さを確認して調整します。
株分けした
ヤブコウジ(十両)を
用土を入れて準備した
鉢に入れます。
円形の鉢ですので、中心に
根元があるように
植え付け・植え替えをします。
赤玉土の極小粒(細粒)を追加します。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
鉢の高さの8分目ぐらいまで用土を入れます。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
盆栽用の化粧砂を敷くと、美しい仕上がりになります。
ヤブコウジ(十両)の素材を鉢に植え付けをして、ミニ盆栽が完成しました。
樹高が大きく、倒れますので、竹串で支えました。
ヤブコウジ(十両)を鉢に植え付け・植え替えをした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ヤブコウジ(十両)の
小さな鉢植えと
ミニ盆栽ができました。
小さな鉢植えは、水切れの心配がなく、安心して育てることができますが、ミニ盆栽は、用土の量が少ないですので、水切れに注意して管理します。
一番小さな株は、直径6センチ(2号)の
スリット鉢に、
植え付け・植え替えをしました。小さな樹でも、花が咲き、実がなるか?確認します。
ヤブコウジの剪定
ヤブコウジ(十両)の
剪定は、春の3月から4月に、株元が5センチぐらいの位置をハサミで切るとよいです。
新芽が芽吹き、枝が新しくなります。
ヤブコウジ(十両)の
小さな鉢植えは、
樹高が15センチぐらい。
先端に新芽があり、芽吹くと、樹高が大きくなります。
芽摘みは、先端の新芽を摘み取ることで、樹高が大きくならないようにできます。
新芽は柔らかいですので、ピンセットで簡単に摘み取ることができます。
葉の付け根から芽吹き、枝ができるとよいですが、ヤブコウジ(十両)は、枝ができにくいです。
鉢の大きさと樹高のバランスがよい状態を維持できます。
ヤブコウジ(十両)の
ミニ盆栽も、今の樹高が鉢とバランスがよいです。
つぼみがありますので、夏に花が咲き、冬には美しい赤色の実が楽しめます。
2本の
竹串で、挟むようにして、風が強く吹いても倒れないようにします。
直径6センチ(2号)の
スリット鉢に、
植え付け・植え替えをした一番小さな株。
樹高は7センチぐらいです。つぼみがありませんので、花が咲きませんが、斑入りの美しい葉が楽しめます。
ヤブコウジの育て方のポイント
- 半日陰から日陰で育てる。(冬は日向)
- 用土は普通の市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を3:1で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春から秋に、緩効性化成肥料を与えます。
- 植え付け・植え替えは、2~4月と9~11月頃が適しています。
ヤブコウジ(十両)は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。根詰りすると花の数が少なくなります。実が落ちた3月から4月に、剪定をするとよいです。
ヤブコウジの今後
6月5日に、ヤブコウジ(十両)の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、屋外での冬越しは簡単ですが、夏の水切れが心配です。
ヤブコウジ(十両)の今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
美しい実が楽しめ樹を育てていますので、参考にして下さい。
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