新芽や幹肌が赤みを帯びている赤松。葉が淡緑色で、細く、柔らかく、やさしい雰囲気であることが、大きな特徴です。
ミニ盆栽を作るために、赤松を育てていますが、幹から芽吹きがなく、長く伸びた先端に葉がたくさんある状態です。
ミニ盆栽の素材を手入れる方法は、種まき(実生)、挿し木、取り木の3つがあります。
種まき(実生)や挿し木は、大きく成長して、ミニ盆栽の素材になるまで時間が掛かることがデメリットです。
取り木は、赤松の樹が必要になります。
育てていないとできませんが、成功する可能性が高く、ある程度の幹の太さがある株を手に入れることができます。
成功すれば、種まきや挿し木より、早くミニ盆栽を作ることができます。
赤松の鉢植え
赤松を鉢植えで育てています。
ホームセンターで購入した小さな苗木を鉢に植え付け・植え替えをして、ミニ盆栽の素材として育てています。
植え付け・植え替えをするときに、
根元を針金で曲げました。
2年間ぐらい育てましたが、
根元に
葉が芽吹くことがなく、先端が長く伸びて、
樹高が大きくなるだけです。
1つだけ、
根元の近くに小さな
枝ができていますが、
ミニ盆栽の素材になることは、難しいです。
赤松のミニ盆栽を作るために、種まき(実生)をして、樹高が小さくなるように軸切り挿し芽をしましたが、幹が長く伸び始めていますので、あまり期待はできません。
赤松の種まき(実生)や軸切り挿し芽について、別に記事に詳しく書いていますので、参考にして下さい。
関連記事
関連記事
ピンセットの位置で、取り木をすることで、樹高が小さいミニ盆栽を作ることができます。
赤松などのマツ類は、樹脂を多く含みますので、挿し木や取り木で発根が難しいですが、チャレンジします。
赤松の取り木の時期
赤松の取り木する時期は、梅雨入り頃です。
取り木に適した時期は、植物がよく成長する時期の少し前になります。
梅雨時期は、雨の日が多く、乾燥しにくいですので、管理が簡単です。
赤松の取り木は、発根するまで、時間が掛かりますので、親木から切り離すまで1年間以上は必要です。
赤松の取り木に必要な道具
取り木に必要な道具
- 発根促進剤ルートン
- ビニールポット
- ホッチキス
- 針金とラジオペンチなど
- ハサミ
- 赤玉土の極小粒(細粒)
ホームセンターや100均で購入できるものになります。
赤松の取り木
定規の0のところで、
取り木をすることで、
赤松の枝がある小さな株を増やすことができます。
取り木が成功すれば、樹高5センチぐらいの小さなミニ盆栽を作ることができます。
取り木をする幹の太さは、直径4ミリぐらい。
取り木の方法は、「針金巻き」、「環状剝皮」、「削ぎ上げ」の3つがあります。
5ミリより細くなると、樹皮を剥がしにくくなり、折れることがありますので、よく使われる方法である「環状剝皮」は、適していません。
赤松の取り木は幹が細いですので、「針金巻き」を使って取り木します。
取り木について詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
関連記事
針金巻きで取り木をする
赤松を「針金巻き」で取り木しますので、針金が必要です。
針金は、直径2ミリのアルミ線を使います。直径1ミリでは細く、3ミリは太いですので、2ミリが使いやすく、ちょうどよいです。
針金は、100均でアルミ線が販売されています。盆栽で使う園芸用の茶色のアルミ線もありますが、店頭に並んでいることが少ないです。
直径2ミリのアルミ線をラジオペンチで切ります。ラジオペンチは、先端が細いペンチで、根元の部分で針金を切ることができます。
100均で購入したラジオペンチですが、針金を「曲げる」「切る」と2つのことができますので、おすすめです。
直径2ミリのアルミ線を5センチぐらいに切りました。
取り木の「針金巻き」は、針金をねじって、強く縛りますが、実際にやると難しいです。
ねじり過ぎて針金が切れたり、縛りが足りないで発根しなかったりします。
針金を幹に巻いてから、先が細いペンチ(ラジオペンチ)で、針金が少し食い込むぐらいに挟み、強く巻きます。
針金の食い込み具合を調節できますので、失敗が少ないです。強く縛り過ぎると、幹が細いですので折れます。
針金を巻くコツは、1回ずつ巻き、ペンチで食い込むぐらいに強く挟むことです。
2~3回巻いて、一度に挟むと、うまく食い込ませることできません。
針金は3回転ぐらい巻くと、カルスがつながることも防ぎますので、おすすめです。発生したカルスが下の部分とつながると発根しません。
カルスは、植物の細胞が、増殖して無定形の細胞塊のことです。未分化な状態ですので、芽や根や枝に成長できます。
「針金巻き」を使った赤松の取り木は、針金を巻くだけですので、一番簡単な方法になります。
取り木が成功すれば、樹高が小さく、枝がたくさんある赤松のミニ盆栽の素材ができます。
発根促進剤ルートンを塗る
発根して取り木が成功できるように、発根促進剤ルートンを塗ります。
ホームセンターや園芸店で販売されています。価格も安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、少量の水でペースト状にして塗る方法がありますが、粉のまま、針金を巻いた上の部分に付着させます。
幹を水で濡らして、綿棒を使うと付着させやすいです。
発根促進剤ルートンは、小さな容器ですので、綿棒に付着させるとよいです。
赤松の
幹に針金を巻いた上の部分に、
発根促進剤ルートンを綿棒を使って、付着させます。
幹の表面に薄く付着するぐらいで大丈夫です。
ビニールポットをセットする
取り木した部分は、発根できるように光を遮り、水を与える必要があります。
ビニールポットをセットして、赤松の枝を取り木した部分を用土で埋めます。
水苔を使って、ビニールで包む方法は、乾きにくいですので、水を与える頻度が減ります。
ビニールポットは、乾きますので水遣りが必要です。
赤松は鉢植えですので、水遣りをします。水遣りをするときに、取り木のビニールポットにも水を与えますので、手間は増えません。
ビニールポットのメリットは、状態を確認しやすいことです。取り木をすると、発根しているか?心配になります。
ビニールポットなら、取り木した部分を簡単に見ることができます。
ビニールポットをハサミで底の穴まで縦に切り、
幹にセットできるようにします。
ビニールポットのフチから底の穴までハサミで、縦に切りました。
取り木して、針金を巻いた上の部分が、ビニールポットの高さの真ん中ぐらいになるようにします。
ホッチキスでビニールポットの重ねた部分を固定します
切った部分を重ねることで、ビニールポットの底の穴が、幹の太さと同じくらいになるように調節できます。
ビニールポットが動かないように、
幹に針金を巻き、固定します。
幹に針金を巻くことで、ビニールポットが下に動かないようにしました。
ビニールポットに
用土を入れると、重くなりますので、割りばしを支柱にして、ビニールポットを固定します。
ビニールポットが動かないように、針金で固定します。100均の直径1ミリのアルミ線が使いやすいです。
赤松の取り木をした部分に、ビニールポットを取り付けることができました。
取り木より、ビニールポットを固定するほうが難しいです。
取り木の用土は赤玉土
ビニールポットの穴と
幹の間に隙間がありますので、
赤玉土の小粒を底に入れます。
赤松の取り木に使う用土は、赤玉土の極小粒(細粒)です。
セットしたビニールポットに、赤玉土の極小粒(細粒)を入れます。粒が小さいほうが乾きにくいです。
ビニールポットの8分目ぐらいまで赤玉土を入れました。
用土は、量が多いほうが乾きにくくなります。満タンに入れると強風などでこぼれますので、8分目ぐらいまでにします。
赤松の取り木の管理
赤松の取り木をしたビニールポットに水遣りをして、発根するまで管理します。
水差しやジョウロで水を与えるだけです。
水遣りができないときは、日陰に移動して、用土が乾きにくくなるように管理します。
赤松の取り木のポイント
- 取り木の時期は梅雨入り前
- 針金巻きで幹を強く縛る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- ビニールポットで赤玉土の極小粒を使う
- 発根するまで、乾かさないように管理
赤松の取り木は、難しいことはなく、枝に針金を巻き、水を与えるだけです。
発根しなければ、やり直すことができますので、気軽にチャレンジできます。
赤松の取り木の今後
6月7日に、赤松の取り木をしました。
梅雨の時期は、雨の日が多く、ビニールポットの用土が乾きにくいですので、管理が簡単になります。
九州地方の福岡県の平野部ですので、梅雨入りは6月上旬、梅雨明けは7月下旬です。
梅雨明けすると、とても暑くなりますので、梅雨時期に発根して、ある程度、根が成長する必要があります。
梅雨入りの10日前ぐらいがおすすめの時期です。
毎日の水遣りが大変ですが、乾燥すると、発根したばかりの根が枯れてしまいますので、注意が必要です。
赤松の
取り木の今後の様子は、
この記事を更新します。
3つある
赤松の鉢植えのうち、2つに
取り木をしました。失敗して枯れることがありますので、注意が必要です。
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿