ロウバイ(蝋梅)は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉性低木です。原産地は中国で、江戸時代に日本に伝わりました。学名は、Chimonanthus praecoxで、12月中旬から2月に、ロウ細工のような黄色い花が咲きます。まだ寒い新春に、香りがよい美しい花が咲く樹です。
ロウバイの種まき(実生)をして発芽させて、ミニ盆栽を作ることにチャレンジします。
ロウバイの種まきの時期
樹木の種まきをする時期は、種を採取してすぐにまく「採りまき」と乾かないように湿らしたキッチンペーパーなどで包み、冷蔵庫で保管して、暖かくなった春に種まきする、2つの時期があります。
ロウバイの種まきの時期は「採りまき」がよいです。完全に乾燥すると、発芽率が悪くなります。
初夏から夏に実が完熟しますので、夏に実から種を取り出して、種まきをします。初夏から少し涼しくなった9月頃がロウバイの種まきに適した時期です。
ロウバイの種
ロウバイの種まきをするためには、種が必要です。小さな鉢植えで育てているロウバイに花が咲き、花後に結実して実ができました。
ロウバイの花は毎年、数輪咲きますが、実ができたことは初めてです。実が完熟すると、種ができますので、ロウバイの種を手に入れることができます。
小さな鉢植えのロウバイは、大きな樹に取り木をして作りました。取り木の方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
関連記事
ロウバイの実を採取
4月下旬に撮影
ロウバイの
実は長卵形で、リンゴなどと同じように花床が肥大したものです。熟すと木質化します。偽果(ぎか)と呼ばれ、本物の
実は偽果の中にあり、濃紫褐色の長楕円形で
種のように見えます。
ロウバイの種などにアルカロイドであるカリカンチンを含み有毒です。 実は毒物に指定されているストリキニーネに似た毒性があります。食べたりすると、摂取してから30分ほどで強い痙攣が起こる可能性がありますので、注意して下さい。
ロウバイの実は、まだ青さが残っています。初夏から夏にかけて完熟すると種ができます。
8月中旬、撮影
暑さが厳しい夏になり、ロウバイの実が完熟しました。
ロウバイの実の先端に穴が開き、中に種が見えます。
ハサミを使って、ロウバイの実を採取します。
採取した
ロウバイの
実。
完全に乾燥しています。もう少し早い時期に採取して、種まきをしたほうがよさそうです。
ロウバイの実の縦の長さは2.4センチぐらい。
ロウバイの
実の横の長さは1.8センチぐらい。
ロウバイの実の先端は穴が開いています。穴から中をのぞくと種が見えます。
ロウバイの実から種を取り出す
ロウバイの実を先端の穴からハサミを使って切り、中にある種を取り出します。
ロウバイの
実の4分の1ぐらいを縦にハサミで切りました。
ロウバイの
実からピンセットを使って、
種を取り出します。
ロウバイの種の大きさ
ロウバイの
種の大きさは、縦が1センチぐらい。
横(幅)は5ミリぐらいです。7個の
ロウバイの
種がありますが、大きさは同じぐらいになります。
ロウバイの種の発芽率について調べましたが品種によって違いがあり、種の状態によって大きく異なります。
種が完全に乾燥していない状態であれば、発芽率は80%ぐらいと高いです。
乾燥すると発芽率が悪くなりますので、種ができてから早い時期に採取して「採りまき」で、ロウバイの種まきをすることをお勧めします。
7個のロウバイの種がありますので、種まきをして、ロウバイの発芽率を確認します。
ロウバイの種まきの準備
種まきする前にロウバイの種を1日ぐらい、常温の水につけます。種にたっぷり水分を含ませて、発芽しやすい状態にします。
ロウバイの種の水に入れます。
種を水に浸すために、食品の容器などを利用するとよいです。
ロウバイの種は水に浮かんでいます。
水に沈む種が発芽しやすいので、常温の水につけることで、種に水を含ませる種まきの準備と種の選別の2つの作業が同時にできます。
残りの
種も水に入れます。
種を水に入れて、すぐは沈みません。しばらくすると水に沈みますので大丈夫です。種を採取してからの日数により、すぐに水に沈まないことがあります。
種が水をよく吸うように、ヤスリなどで傷をつける方法があります。
種は自然の中でも、樹から落ちて雨水で流らされることで表面に傷がつくことで、
発芽しやすい状態になることがあります。
ロウバイの種まきの用土
ロウバイの種まきをするために、種床を準備します。
用土を入れることができれば、種床はどのような容器でも大丈夫です。発芽した後も、しばらく育てますので、プラスチック製の鉢を使います。
プラスチック製の鉢はアップルウェアーのプレステラ105型です。日本製で
10ヶ組で安くて使いやすいです。
プレステラの大きな特徴は、側面から底に
スリットが多く設置されていることです。
スリットにより
根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
鉢の大きさは1辺が9センチの正方形です。
鉢の高さは8.5センチぐらい。
ロウバイの種が発芽した後でも、しばらくの間は育てることができる大きさです。
ロウバイの種まきの用土は、赤玉土の小粒と極小粒です。
赤玉土の小粒は直径3~5ミリぐらい、極小粒は直径2~3ミリぐらいになります。
鉢の高さの半分ぐらいまで、赤玉土の小粒を入れます。
次に、赤玉土の極小粒を薄く入れます。粒が小さい極小粒が種に触れるほうが保水性が高く、乾きにくくなります。
ロウバイの種まきをするための種床ができました。
ロウバイの種まき
ロウバイの
種を水に浸けて、1日が経過しました。沈んでいる
種は1個だけと残念な結果です。
長時間、
種を水に浸けていると酸欠になる可能性がありますので、
種まきをすることにしました。
種を水に長期間、漬けたい場合は、流水にすると酸欠しないです。
発芽したときに判別できるように、水に沈んでいる
種を鉢の中央に置きました。
ロウバイの種は7個ですので、発芽したときに発芽率を確認します。
種を置いた
用土から鉢の線まで1.5センチぐらいです。
種まきのときに、種を覆う土のことを覆土(ふくど)と呼びます。覆土の厚さは種の厚さの2~3倍ぐらいが一般的になります。
ロウバイの種は、横(幅)が5ミリぐらいでしたので、覆土の厚さは1~1.5センチぐらいです。鉢の線の所まで用土を入れると、覆土として最適の厚さになります。
土入れを使って、赤玉土の極小粒を
種の上に入れて、覆土をします。
鉢の線の所まで赤玉土の極小粒を入れて、覆土をしました。
ロウバイの
種まきが完成しました。
ロウバイの種まき後の管理
赤玉土の極小粒は、とても小さいですので、流れないように、弱い水流で
水遣りをします。
ロウバイの種まき後の管理は、難しいことはなく、用土が乾かないことを注意するだけです。
天気がよくない曇りの日でも、風が強く吹く日は1日で、用土が乾くこともありますので、気をつけて下さい。
直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。直射日光が当たると、用土が乾きやすくなりますので、管理が難しくなります。
ロウバイの
種まき後は、鉢に
用土があるだけですので、ラベルを設置します。
園芸用のラベルは、縦が60ミリ、横が12ミリと小さいものを使います。
小さなラベルをハサミを使って縦に半分に切ると、2倍の枚数になり節約になります。
ラベルは鉛筆やシャーペンで書いたほうが消えにくいです。
ツルツルしたラベルは鉛筆やシャーペンで文字を書くことができません。少しザラザラしたラベルがありますので、お勧めです。
ラベルは土に挿しますので、端に文字を書くとよいです。
ロウバイの
種まきをした鉢に、ラベルを設置しました。
ロウバイの種まきを成功させるポイント
- 種まきの時期は、初夏から秋に「採りまき」。
- 種を水につけて、水分をたっぷり含ませる。
- 種床は、どのような容器でもよく、普通の鉢が簡単。
- 種まきの用土は赤玉土、または、種まき専用の用土
- 明るい日陰で乾かないように水遣りをして管理。
ロウバイの種まきに、特別な方法はありません。乾かないように、日々、管理することが大切です。
ロウバイの種まきの今後
8月11日に、ロウバイの種まきをしました。
九州の福岡県の平野部で栽培していますので、温暖な気候です。ロウバイの種まきの時期は初夏から秋ですので、暑さが厳しい夏になりますので、用土が乾かないように注意が必要です。
ロウバイの発芽や成長の様子は、この記事を更新します。
関連記事
関連記事
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿