桜の取り木を成功させるポイント:御殿場桜を取り木してミニ盆栽を作る


桜 取り木
を増やす方法は、実生(種まき)、挿し木取り木接ぎ木の4つがあります。 

それぞれにメリット、デメリットがあり、どの方法がよいか?決めることはできません。

御殿場桜の苗木をホームセンターで購入して、鉢植えで育てることにしました。鉢植えですので、植え付けるときに、長い幹を半分から三分の一ぐらいに、短く切り詰めます

幹には枝があり、切ることがもったいないですので、幹が長いまま鉢に植え付けて、取り木をすることにしました。

取り木をすることで、幹は短くなります取り木が成功すれば、ミニ盆栽の素材を手に入れることができ、苗木を無駄なく利用できます。


御殿場桜の鉢植え

御殿場桜
御殿場桜の鉢植え。幹が真っ直ぐに長く伸びて、樹高が70センチぐらいあります。

鉢植えで樹木を育てる場合、幹を半分から三分の一ぐらいに短く切りつけます。下の方の枝を残して幹を切ることで、樹形がよくなります。

幹を切ることなく、鉢に植え付けました。

御殿場桜の苗木を鉢に植え付けを詳しく書いた記事です。
関連記事

つぼみ
2月24日撮影。少し暖かくなり、桜のつぼみが膨らみ始めました。取り木の時期は、春の芽吹く前と梅雨時期が適しています

最近の梅雨は、ジメジメした湿気が多い長雨が続くことがなく、集中的な豪雨が多くなりましたので、取り木をするタイミングが難しいです。

春の芽吹く前が、つぼみの状態を確認することでタイミングよく、取り木ができますので、おすすめです。




取り木を成功させるポイント

枝
桜の取り木は、「環状剥皮」を使います。幹の樹皮をカッターなどで1周、キレイに剥いて、水苔や用土で覆い、湿らせて発根させる方法です。

樹皮を剥いで、内部の木質部まで形成層をキレイに剥ぎ取ることがポイント。形成層は甘皮のようなもので、残っていると発根しません。


取り木の準備

不要な枝
先端の左に伸びる枝の下ぐらいの樹皮を剥いで、取り木しますので、右に伸びた枝が邪魔になります。

不要な枝を剪定して、取り木の準備をします。

剪定
不要な枝を根元で切り、取り除きます。

2本 枝
1か所から2本の枝が伸びていますので、よくない枝になります。

左 枝
左の枝は、樹皮を剥いだ部分にビニールポットをセットするときに、邪魔になりそうですので、根元で剪定しました。

枝 挿し木
取り木の邪魔になる枝を剪定しました。枝を無駄にしないために、バケツの水の中に入れて、水揚げします。

剪定した枝を使って挿し木をします。桜の挿し木の様子を記事にまとめています。
関連記事
1本の御殿場桜苗木で、鉢植え、取り木、挿し木と、いろいろなことにチャレンジできます。

取り木 準備
先端の枝を1本残して、幹から不要な枝を取り除き、取り木の準備ができました。

枝より上の幹の先端部分を切ったほうがよいですが、切り口から枯れることもありますので、そのまま取り木することにしました。


環状剥皮で取り木する

幹 太さ
取り木する幹の太さは12ミリあります。10ミリ(1センチ)以上あると、樹皮を剥ぎやすいです。

カッター
よく切れるカッターやナイフで、樹皮に1周、切れ目を入れます

カッターは、雑菌などがないようにキレイに洗います。新品のカッターの刃は錆防止剤が塗られていますので、必ず洗って下さい。

20ミリ
樹皮を剥ぐために、上と下の2ヶ所、切れ目を入れます。切れ目の幅は、幹の太さの1.5~2倍ですので、20ミリにしました。

幅が小さいと、カルスが成長して下の部分とつながります。つながると発根しません

不要な枝を取り除いた切り口が見えます。枝がなくなると邪魔にならず、作業しやすいです。

形成層
取り木の環状剥皮は、形成層までキレイに取り除くことががポイントです

分かりやすいように、一部の樹皮を深く剥ぎました。形成層がキレイに見えます。木質部だけを残して、形成層より外側を剥ぎます

環状剥皮
樹皮を剥ぎ、環状剥皮ができました。

太さ
樹皮を剥ぎましたので、12ミリあった幹の太さは、9ミリぐらいになりました。


発根促進剤、ルートンを塗る

切り口
樹皮を剥いだ部分の上の切り口から発根します。切り口をキレイな状態にすることで取り木の成功する可能性がアップします。

カッターで仕上げをして、キレイな切り口にしました。

発根促進剤
切り口に発根促進剤、ルートンを塗ることで発根しやすくなります。

発根促進剤は、取り木挿し木に使いますが、大量に使うことがないですので、容量の少ないものがおすすめです。

容量が大きいほうが、お買い得ですが、使用期限がありますので、小さいものを購入しましょう。ホームセンターや園芸店で販売されています。

粉末
発根促進剤、ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出します。

水
水でペースト状にすると塗りやすいです。

綿棒
綿棒などにつけて、環状剥皮した上の切り口に、発根促進剤、ルートンを塗ります。


環状剥皮した部分を保護する

取り木 保護
樹皮を剥いで環状剥皮発根促進剤を塗りました。

切り口からカルスが発生して、発根するためには、環状剥皮した部分を保護する必要があります

発根するために条件は、暗くて水分があることです

保護する方法は、水苔を巻きビニールを取り付ける方法とビニールポットを使う方法の2つがあります。

水苔を巻きビニールを取り付ける方法は、湿った状態を維持できているか?確認しにくいですので、ビニールポットを使う方法にします。


ビニールポットをセットする

ビニールポット 切る
2.5号(直径75ミリ)のビニールポットを使いました。側面から底の穴に向かって、縦にハサミで切ります

御殿場桜の幹に、取り付けることができるようになりました。

ホッチキス
幹に取り付けて、側面の部分を重ねて、ホッチキスで固定します。

ビニールポット セット
環状剥皮した部分に、ビニールポットをセットすることができました。

針金
用土を入れて、重くなるとビニールポットが下にずれますので、針金を使って固定しました。


用土を入れて、水を与える

鹿沼土
取り木に使う用土は、鹿沼土の小粒です。挿し木で使ったことがあり、雑菌が少なく成功率が高いです。

鹿沼土は特別な用土でなく、ホームセンターや園芸店で販売されていますので、手に入れやすいです。

完成
取り木が完成しました。

水
乾燥しないようにを与えます。

湿った状態が維持できるように、毎日水遣りをします。取り木水遣りすることを忘れないように注意します。


桜の取り木の今後

2月24日取り木をしました。

九州の福岡県の平野部で栽培していますので、温暖な気候です。

次の目標は、つぼみが膨らみ、葉が芽吹くことです御殿場桜は、葉が芽吹く前に花が咲きます。

取り木した部分の枝のつぼみは、花芽と葉芽があります。膨らむ前は区別がつきにくいですので、少し膨らみ、花芽と葉芽の区別が分かるようになったら、花芽を取り除きます

花が咲くことに、取り木した部分の幹や枝に蓄えられたエネルギーを使わさせないようにします。

カルスが発生して、発根するまで2ヵ月間以上が必要です。今後の様子はこの記事を更新します

順調に発根できれば、秋に親木から切り離すことができます。

御殿場桜のミニ盆栽で、美しい花を楽しむことを目標に頑張ります。


スポンサーリンク
スポンサーリンク


0 件のコメント :