早春の街角に甘い香りを届けてくれる沈丁花。
寿命は短く、突然枯れてしまうことも少なくありません。
「大切な株を絶やしたくない」という方におすすめなのが、剪定した枝を利用する「挿し木」です。
本記事では、初心者の方でも成功率が上がる水切りのコツや発根促進剤の使い方、鉢上げのタイミングまで詳しく解説します。
大切な沈丁花を、あなたの手で次世代へ繋いでみませんか?
沈丁花の鉢植えの剪定
沈丁花を鉢植えで育てています。
沈丁花の鉢植えの樹高は40センチぐらいです。
沈丁花は、枝が増えていますので、枝を減らす剪定します。透かし剪定や間引き剪定と呼ばれる方法です。
沈丁花の剪定に適した時期は、花が咲き終わった後から5月までになります。
6月~7月には、翌シーズンに咲く花芽ができますので、遅くならないように注意が必要です。
剪定することにより、樹高が小さくなりますので、コンパクトな鉢植えができます。
沈丁花の挿し木の時期
沈丁花の挿し木する時期は、4月と7月~8月です。
4月頃にする挿し木は、前年の伸びた枝を使いますので、「古枝挿し」と呼ばれます。「春挿し」と呼ぶこともあります。
7月~8月は、新しく芽吹いて伸びた枝を使いますので、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種によって成功率が異なります。
挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂の発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。
沈丁花の挿し穂の水揚げ
沈丁花を剪定した枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、2時間くらいが基本です。
水揚げをする時間は、30分や一晩などといろいろな情報がありますが、2時間くらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。葉と枝が水に漬かるように、水揚げは大きなバケツが適しています。
沈丁花の挿し穂を作る
手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、葉の付け根をハサミで切るとよいです。
沈丁花の挿し穂が完成しました。
挿し穂は水揚げで水に濡れていますので、粉末の発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に鉢上げするまで育てる予定ですので、水はけがよくなるように鉢底石を敷きます。
用土に水を与えて、十分に湿らせます。
沈丁花の挿し床が準備できました。
ビニールポットの高さは、7センチぐらい。
底に、鉢底ネットを敷き、ビニールポットの用意ができました。
用土を入れます。土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
沈丁花は、根の量が多くないですので、風が強く吹くと、倒れる可能性がありますので、支柱で支えます。
葉をハサミを使って半分に切ります。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。
挿し穂の長さは、10センチぐらいです。
挿し穂の切り口
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の切り口にするとよいです。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
沈丁花の挿し床は、プラスチック製の鉢を使います。
挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。
鉢底石を薄く敷きます。
暑い夏は、水切れしないように、腰水で管理しますので、鉢底石を厚く敷くと用土が水に漬かりません。
沈丁花の挿し木の用土は、赤玉土の極小粒を使います。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
鉢の高さの3分目くらいまで用土を入れます。
沈丁花の挿し床が準備できました。
沈丁花の挿し木が完成しました。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて、1本ずつ挿すことは大変です。
挿し穂が長いと、深い穴を作る必要がありますので、挿すより用土を入れるほうが簡単になります。
挿し穂の数が多いときも、並べて用土を入れるほうが簡単になります。
沈丁花の挿し木の管理
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。たっぷり水を与えます。
用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
沈丁花の挿し木は、毎日、水遣りをします。用土が湿った状態を維持します。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理するとよいです。
沈丁花の挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
沈丁花の挿し木のポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土の極小粒
- 乾かないように腰水で管理
沈丁花の挿し木のポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
沈丁花の挿し木の今後
今後の沈丁花の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
5月21日に沈丁花の挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。6月上旬に梅雨入りして、梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になりますので、1ヶ月間ぐらいあります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
更新しました。
沈丁花の挿し木の発根
9月7日、撮影。沈丁花の挿し木をしてから、3ヶ月半が経過しました。
暑さが厳しい夏は、日陰に置き、水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理することで、枯らすことなく、夏を越すことができました。
鉢の底を確認しましたが、根は出ていません。
沈丁花の挿し木の鉢上げ
沈丁花の挿し木は、挿し穂の長さの半分以上が土に埋まっていますので、鉢上げをします。
鉢上げは、鉢に丁寧に1株ずつ、植え付け・植え替えをすることです。
沈丁花の挿し木を、鉢に植え付け・植え替えをして、鉢上げします。
必要な道具は、ハサミとピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ポットから取り出す
沈丁花の挿し木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
2本の挿し穂が発根していますので、沈丁花の挿し木の成功率は100%です。
茎から発根することなく、カルスから発根するタイプは、時間がかかります。
ビニールポットの用意
沈丁花の挿し木を鉢上げする鉢は、ビニールポットを使います。
価格が安いことが大きなメリットです。
ビニールポットの大きさは、直径7.5センチ、2.5号になります。
沈丁花の挿し木は、親株が枯れたときの予備になりますので、小さな鉢で育てます。
ビニールポットは、底に穴があり、用土が流れ出ますので、鉢底ネットを敷きます。
鉢に植え付け・植え替え
ビニールポットの高さの底から3分目ぐらいまで、用土を入れます。
沈丁花は、水はけ、水もちがよい用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
沈丁花の挿し木を用意したビニールポットに入れます。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
ビニールポットの高さの底から8分目ぐらいまで用土を入れて、沈丁花の鉢上げが完成しました。
鉢上げ後の管理
沈丁花を鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
沈丁花の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。沈丁花は、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
小さなビニールポットですので、割りばしを支柱に使い、ビニールタイで固定します。