晩秋に鮮やかオレンジ色の小さな実が楽しむことができる
金豆(キンズ)。小さな
ミニ盆栽を作るために、
挿し木で増やして素材を手に入れます。
金豆(キンズ)の挿し木の発根率は高いとの情報が多いですので、実際に挿し木をして確認します。
金豆(キンズ)の親木
金豆(キンズ)の挿し木をするためには親木が必要です。
ホームセンターで購入した金豆(キンズ)を鉢植えで育てています。挿し木の親木として利用できますので、樹形が悪く、価格が安い苗木でも、購入して育てる価値があります。
金豆(キンズ)の苗木を植え替えて、育てる様子の記事がありますので、参考にして下さい。
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金豆(キンズ)の鉢植えは、樹高は30センチぐらい。苗木を植え替えて2年が経過しています。
順調に成長して枝が増えています。徒長した枝を剪定する必要があります。剪定した枝を挿し穂に利用して、挿し木にチャレンジします。
植物は先端の成長がよく、枝が増えて樹形が悪くなりますので、定期的に剪定が必要です。
小さな鉢植えで育てていますので、葉の量が増えると水切れしやすくなります。
金豆(キンズ)の挿し木の時期
金豆(キンズ)の挿し木に適した時期は6~7月です。
前年に伸びた枝を使う挿し木は、「古枝挿し」と呼ばれます。暖かくなり始めた3月から4月にすることから「春挿し」と呼ぶこともあります。
新しく芽吹いて伸びた枝を使う挿し木は、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種や品種によって発根率が異なります。
挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂の発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。
金豆(キンズ)の挿し木に必要な道具は、
- 発根促進剤ルートン
- カッターやカミソリなどの刃物
- ハサミ、ピンセット
- 水揚げをするための容器
- 鉢
- 竹串や割りばしなどの棒
- 赤玉土の極小粒(細粒)
- ビニール袋
ホームセンターや100均で購入できるものになります。
金豆(キンズ)を剪定して挿し穂を作る
鉢植えで育てている金豆(キンズ)を剪定して、剪定した枝を利用して、挿し穂を作ります。
金豆(キンズ)の剪定に適した時期は5月下旬~9月です。成長期である暖かい時期は、剪定後の肉巻きがよいですので、太い枝を剪定しても元気に回復してくれます。
金豆(キンズ)の剪定
金豆(キンズ)は芽吹きがよく、「車枝」になりやすい樹です。
「車枝」は1ヵ所からたくさんの枝が輪のように出ている状態のこと。樹形が悪くなりますので、枝の根元で切り取ります。
金豆(キンズ)の剪定後。
車枝を整理して、幹から出ている枝も少なくなるように剪定しましたので、コンパクトになりました。コンパクトになると管理がしやすく、水切れの心配がなくなりますので、オススメです。
剪定した枝を利用した挿し木は、気軽にチャレンジできます。
剪定した枝の水揚げ
金豆(キンズ)を剪定した枝を水につけて水揚げをします。水揚げする時間は、30分から2時間ぐらいが基本です。
水揚げをする時間は、一晩などといろいろな情報がありますが、2時間ぐらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。葉と枝が水に漬かるように、水揚げは大きな容器が適しています。
長く伸びて徒長した枝をすべて
剪定しましたので、たくさんの
挿し穂が作ることができそうです。
剪定した枝から挿し穂を作る
金豆(キンズ)を剪定した枝は、長い枝や短い枝といろいろな長さがあります。
挿し木をするための挿し穂は、同じ長さにすると挿し床の鉢に挿しやすくなります。
挿し穂の下の部分は、土に挿しますので、
葉を取り除きます。
手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、葉の付け根をハサミで切るとよいです。
先端の葉を2~4枚ぐらい残します。
金豆(キンズ)の挿し穂の葉刈り
挿し穂は、先端の残した葉をハサミを使って半分に切ります。葉は先端は細く、水切れして枯れやすいです。根がなく水を吸収できないですので、すぐに枯れます。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。大きな葉は2/3ぐらいを切り、小さくします。小さな葉は、半分に切らないでも大丈夫です。
剪定した枝が、
挿し穂になりました。
剪定したすべての枝を下の葉を取り除き、残った葉を半分に切りました。たくさんの
挿し穂がありますので、
葉刈りは大変ですが、1本でも多く
発根するように頑張りました。
挿し穂の切り口を作る
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。 樹種や品種によっては、切り口から雑菌が入り、枯れることがあります。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
水の中で切る水切りは、大きな容器を準備すると簡単できます。刃物を使う作業ですので、ケガに注意します。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の切り口にするとよいです。
すべての
挿し穂を
水切りで
切り口を作りました。
挿し穂が枯れる可能性を小さくすることが、発根して挿し木が成功するためのポイントです。
金豆(キンズ)の挿し穂が完成
金豆(キンズ)の挿し穂の大きさは、小さなものは枝の部分が3センチぐらい。
大きなものは10センチぐらいあります。
挿し穂の大きさが発根にどのくらい影響するか?金豆(キンズ)の挿し木が成功すれば確認できます。
完成した金豆(キンズ)の挿し穂は15本あります。半分以上の8本ぐらいは成功してほしいです。
金豆(キンズ)の親木を剪定して、枝から挿し穂を作ることは簡単ですが、多くの挿し穂を作るためには時間が必要になります。
挿し穂が枯れることがありますので、挿し穂の数が多いほうが、挿し木が成功してミニ盆栽を作るための素材を手に入れる可能性が高いです。
金豆(キンズ)の挿し床の準備
挿し木で、用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。
金豆(キンズ)の挿し床は、用土は赤玉土、容器はプラスチック製の鉢を使います。
金豆(キンズ)の挿し木の挿し床の鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にしました。ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
容器は、どのようなものでも大丈夫ですが、発根した後も、しばらくらの間、そのままの状態で管理しますので、鉢を使いました。
プレステラ105型は、1辺が9センチぐらいの正方形の鉢です。普通の円形の3号(直径9センチ)より、少し大きな鉢になります。
鉢の高さは8センチ。
挿し穂が倒れないように、挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。
金豆(キンズ)の挿し床の用土は、赤玉土の小粒と極小粒です。
挿し木の用土は、配合された専用のものと赤玉土や鹿沼土などがありますが、乾いて水切れしなければ、大丈夫ですので、好みで選ぶとよいです。
普段からよく使い、価格が安く、手に入りやすい赤玉土を使いました。
赤玉土の極小粒は直径2~3ミリぐらいです。
赤玉土の小粒は直径3~5ミリぐらいになります
鉢の底は
排水性(水はけ)がよくなるように、赤玉土の小粒を入れます。
挿し穂が水切れして、乾かないように保水性が高い用土がよさそうですが、根が成長するためには酸素も必要になります。
発根した後に、根が元気に成長できるようにすると、早く鉢上げすることができます。
鉢の高さの半分ぐらいまで、
赤玉土の小粒を入れます。
表面は赤玉土の極小粒を入れ、乾きにくくしました。
金豆(キンズ)の挿し木の用土の量は、鉢の高さの半分から3分の2ぐらいがおすすめです。
挿し穂の先端が、鉢のフチから出ないようにすると風で揺れることがなく、発根した細い根が切れる心配がありません。
挿し木をした後は、乾きにくくするためにビニール袋をかぶせる密閉挿しで管理しますので、挿し穂の先端が鉢のフチからあまり出ないようにします。
用土を入れた鉢を水の中に入れて、水をたっぷり吸収させます。金豆(キンズ)の挿し床の準備ができました。
金豆(キンズ)の挿し穂と挿し床の準備ができましたので、金豆(キンズ)の挿し木をします。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。使用することで発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、ペットボトルのキャップなどを容器に利用して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。挿し穂は水に濡れていますので、ペットボトルのキャップに入れた発根促進剤ルートンの粉末に挿し穂の切り口付近を入れるだけで、適量を付着させることができます。
挿し穂の切り口に発根促進剤ルートンを付着させることができました。
挿し床に挿し穂を挿す
金豆(キンズ)の挿し穂と挿し床の準備ができましたので、挿し木をします。挿し床に、竹串や割りばしなどの棒で、穴を作ります。
よく切れる刃物で挿し穂の切り口を作りましたので、切り口が傷つかないように、穴を作り、挿し穂を挿します。
鉢の底まで到達するように穴を作り、挿し穂をできるだけ深く挿します。
穴を作らないで
挿し穂を挿すと、キレイに切った
切り口が傷つき、付着させた
発根促進剤ルートンは剥がれます。
挿し穂が動かないようにできるだけ深く挿して、隙間がなくなるように用土を寄せます。
金豆(キンズ)の挿し木ができました。難しいことはなく、ゆっくり落ち着いて作業すれば、誰にでも簡単にできます。
15本の
挿し穂をすべて挿すことができました。
最後に水を入れた容器に鉢を浸して、たっぷり水を吸わせます。用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
金豆(キンズ)の挿し木の管理
金豆(キンズ)の挿し木ができましたので、ラベルを設置します。
たくさんの植物を育てていますので、名前を忘れることがあります。ラベルを設置しますと、水遣りのときに確認できますので、便利です。
小さな鉢ですので、ホームセンターや園芸店で販売されている小さな園芸用ラベルを使います。幅が約12ミリ、長さが約60ミリの短冊です。ラベルを設置します。
小さなラベルをハサミを使って縦に半分に切ると、2倍の枚数になり節約になります。
植物は屋外で管理しますので、時間が経過するとラベルの文字が消えて見えなくなることがよくあります。
ラベル用の専用のペンが販売されていますが、鉛筆が書くほうが文字が消えにくいです。ラベルの表面がツルツルでなく、少しザラザラしたものは鉛筆で書くことができます。
ラベルは土に挿しますので、端に文字を書くとよいです。
ラベルの裏には日付を書きました。日付を記載すると、鉢上げの時期が分かりやすくなります。
金豆(キンズ)の
挿し木は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。風が強く吹くと
挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
挿し木が難しく、発根するまで時間が掛かる場合は、葉が枯れないように、ビニール袋を使って密閉挿しにします。
ビニール袋やペットボトルを使った密閉挿しは、葉が枯れること防ぎますが、カビが発生しやすいデメリットがあります。
用土は、雑菌が少なくなるように新品を使い、枯れた葉はカビが発生する原因になりますので、すぐに取り除く必要があります。
ビニール袋をかぶせると、水遣りのときに、取り外す必要がありますので、鉢受け皿に水を入れて、底面給水するとよいです。
鉢底石の代わりに、赤玉土の小粒を使っていますので、底面給水できます。
金豆(キンズ)の挿し木を成功させるポイント
- 2時間ぐらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土
- 乾かないように密閉挿しで管理
金豆(キンズ)の挿し木を成功させるポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
今後の金豆(キンズ)の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げしてミニ盆栽を作るまでを記録します。
8月29日に、金豆(キンズ)の挿し木をしました。九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。まだ厳しい暑さが続きますので、水切れに注意して管理します。
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